第93話 性魔法?



「それでシーマくんは私のところに来たと…。私は前の世界でいうところのド〇えもんじゃないんですよ?」


うん。知ってる。

絶世の美女がド〇えもんなわけがない。

それでもエルピスなら何とかしてくれるような気がしちゃうんだよなー。


「これでも私は一応女神なんですから、都合のいい女的な扱いはどうかと思いますよ?」


いやいや、そんなことないです!

ホントにあの世界に降臨したら、恐れ多いけど、嫁に迎えたいくらいです!


「そんなこと言われちゃうと嬉しくなっちゃうじゃないですか。本気で後任を探しちゃいますよ?」


どうしてそこまでして俺を...。


「だって、美味しい料理食べたいじゃないですか! 『がいも』とか『ブラックバード』とか!」


...。

そこなの?

俺自身がどうとかじゃなくて料理なの?


「…いっ、いや、それは言葉のあやで...」


俺よりも料理なんだー。

悲しいなー。

女神がそんなこと言うんだー。


「それより、今回の希望は避妊でしたっけ?」


うわー。無理矢理話変えてきたよ。


「あることにはあります。性魔法です」


性魔法?

そんなものがあるんだ。

レベルがあったりするのかな?


「はい。レベルによって使える魔法が増えますが、まぁエッチに関することです」


まぁ、そうでしょうね笑

じゃあ、それを俺に与えて下さい!


「それは構いませんが...」


が?


「もしも私が下野したら、料理いっぱい食べさせてくれます?」


うん。それくらい全然構わないよ。

何だったら今ここに出してもいいけど、それだったら、もう1つお願い聞いてもらおうかな。


「それは何でしょう。早く言って下さい。私には塩唐揚げが待っているんです」


...。

まだ俺、何を上げるか言ってもいないのに、自分から希望を言ってきたよ。

まぁいいや。

冒険者のレベルアップには経験値的なものが影響していると思うんだけど、それらもパーティー内で共有できないかな?

誰かが魔物を倒しても、みんながそれぞれ倒したことになるようにしたい。


「そうなると経験値共有ですね。分かりました。お付けしておきましょう。それでは塩唐揚げを出して下さい」


わかったよ。


ゴトッ


俺は塩唐揚げを皿ごと置いた。アイテムボックスってこっちでも使えるんだな。

もしかして、料理作る度に呼ばれたりしないよな?


「モグモグ...もう時間なので、それではまた...モグモグ」


女神さえも食いしん坊になってしまった。


これからが酷く心配だ。



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