第92話 搾取



「シェリルはシーマくんを捕まえてよかったわね」


「ほんとだよ。僕が結婚したいくらいだ」



あっ出た。

この家族特有の美味しいものを作ってくれると結婚と結びつけたくなるやつだ。

ということは合格なのかな?



グスッグスッ



ロナルドさんはまたもや泣きながら食べている...。

美味しくて泣いているのか、この後のことを考えて泣いているのかはわからない。



「ステラさん、レオンさん。この料理はいかがでしたか?」


「確かに効果まではわからないけど、とても美味しかったわ」


「そうだね。この料理のレシピは売ってくれるのかい?」


「えぇ、こちらでよろしければどうぞ」



俺はレオンさんに簡単なメモを渡した。



「ありがとう。お金はまた後で渡すから、料理名だけ考えておいてくれるかい?」


「料理名ですか?」


「そう。『いんにく』次第だけど、グランツからこの料理を発信してみたいんだ」


「分かりました。いつまでに考えておけばいいですか?」


「3日後、またここに来て。その時にお金を渡すから、料理名はその時に」


「それでは3日後にまた来ますね」



よかった。

とりあえず納得してもらった。

お金はどれくらいもらえるんだろう。

3日後か...。





その日俺たちは時間が遅くなったこともあってシェリルの部屋に泊めてもらった。

しかしこれが失敗だった。



食事の後、ロナルドさんが問答無用でステラさんに首根っこ掴まれて連行されたのを見ていたにも関わらず、シェリルの部屋に泊まれるというドキドキ感で、そのことを忘れていたのだ。



「お母さん、遮音の魔道具を付け忘れてるよー」



屋敷中にステラさんの喘ぎ声が聞こえてくる。張本人達が家主なので当然誰も抗議に行けない。


時折、男性の叫び声も聞こえてくるので、こってり搾り取られているのだろう。



そして俺はというと、

シェリルでさえも予想外なこの状況の中、可愛い女の子2人とシングルベッドで絶賛川の字密着中だ。


こんなカオスな夜に寝られるわけないじゃん。



セレナの柔らかな肌とシェリルのピッタリとした絡みに悶々とする。

もちろん、俺のムスコは飛び上がるようにして起き上がっている。


俺も正直言って、この可愛い女の子たちとさらに甘々な夜を過ごしたいけど、

結婚前の2人に手は出せないよな。この世界だし。


ん? 避妊が出来ればいいのか?



こういう困った時は、

エルピスさんに頼むしかない!!




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