第14話 もう一人の中卒
我が家は一般的に考えれば変わっている家庭である。次男は中卒、三男は高校2年生の夏に中退。普通では考えられないことであろう。
三男は高校に入学後もクラスに馴染めず学校に行きたくないとよく言っていた。原因を聞くも「別にない」というが本心ではないと感じていた。1年生の夏ごろからずる休みをすることが多々あった。最初のうちは三男が「今日学校を休む」というので仕事前に学校に「風邪気味なので休ませます」と適当な理由をつけて連絡を入れていたが、そのうち連絡もせず無断で学校を休んでいた。しかし、高校生だからなのか学校に登校しなくても学校から連絡はなかった。
高校2年生に進級したあたりから「学校やめる」と言い始めた。いつか「やめる」というと思っていた。無理して学校に行かせても気持ちが苦しくなるだけだと思い夏休み前に「学校辞めてもいいよ」と言った。やめたい理由を話してほしいと三男に話をしたら「特定の人にいじめられているわけではない。誰も友達がいない」と言ってきた。三男は独りぼっちだったんだと思った。
三男は高校2年の夏休み明けに退学した。
しかし、私はそれで良かったと思っている。
なぜかというと先生たちは子供を見ていないし、育てようという気持ちがない(そうでない先生もいるとは思うが息子の担任・学年主任がそうであったと感じた主観的な感想である)。学校の教員はサラリーマンである。業務をこなすことで精一杯なのに個々の学生のことまで気にはしていられないはず。先生の立場からすればモンスターペアレンツもいるからむやみやたらに家庭の事情に関与もできないのも事実であろう。親自身が子供を先生に育ててもらおうと考えていること自体が間違えだと私は感じる。親も学校も子供の押し付け合いをし、当本人の子供は蚊帳の外という現状が今の日本の教育事情ではないのか。子供の責任は最終的に親がとらなければいけない。子供を作るということはそういうことである。『不登校』『自殺』『いじめ』『社会的問題行動』など苦しむのは親である。それならば子供と共に楽しく人生を歩む方がいいと思う。『くまこ式メソッド』を参考に子供たちの未来が明るい未来であり続けるように諦めない子育てをしてほしい。
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