第12話 宅浪1年生

宅浪1年生の生活が始まった。とはいっても高校に行っていない期間も同じような生活をしていたので大差はない。

長男も次男に勉強のことで声をかけてくれるようになり『ここ教えてほしいんだけど~』など次男も声をかけやすくなったと言っていた。


次男は模擬テストも徐々に点数をあげ、秋には東工大はA判定を出すようになった。

次男の暗い表情もそのころには少し明るくなっていた。


家族という形をどのような形にするかは親の考え次第だと思う。

家族の絆なんて壊れやすい。ガラスのグラスみたいなものだ。グラス壊れたらもう元には戻らない。だから優しく丁寧に扱う。家族も同じ、皆がいがみ合っていたら壊れてバラバラになる。壊れないようにするためにお互い思いやりの心を持つことが必要だと我が子たちには教えてきた。


次男は『長男が声をかけてくれるから勉強を聞きやすくなった。今までは自分のプライドが邪魔をして聞けなかったんだと分かった。』とのちに話してくれた。


今でも上二人はとても仲が良い。お互いの知識を教え合い協力して今は仕事をしている。

次男の勉強の仕方

・教科書を何度も読み理解

・その後問題集を何度も繰り返しやる

・英語は長文問題に慣れる

・国語は問題を解く

しかし、残念ながら国語はなかなか点数が上がってこなかった。


宅浪1年生も9ヶ月。そろそろどこの大学を受験するかを決めなければいけない時期が今年もやってきた。

次男の中ではもう決まっていたようだ。

『国語で点が取れない。A判定が出ている東工大を受けることにする』と


東工大は前期試験で国語がないのでリスクが少ない

無理をして東大を受けて不合格になるよりは東工大で私は十分だと思ってい。




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