第11話 次男の再出発
初めての大学受験をした次男。しかし残念ながら不合格
『これからどうする?』と聞くと
『頑張るしかない』(すすり泣く)
沈黙が続いた
『東大を目指したい。長男に追いつきたい。』
無理して東大を目指す必要はないのではないかと私の思いを伝えたが
『東大C判定までしか取れていない現状はわかっている。自分一人で勉強をするのも限界だということもわかっている。長男に相談すればいいんだろうけど聞きづらい。
あいつはなんでもできる。それは認める。自分とは違うとも感じている。だからこそ辛い。』
泣きながら自分の気持ちを私に話してくれた
何でもできる長男をすごく意識し苦しんでいた。仲の良い兄弟でも身近にいるライバルだということだ。
塾に通わせてあげることができればこんな思いをすることはなかったのだと思う申し訳なく思った。『ごめん』と謝るしかなかった。
『中卒のままでは生きていけないから頑張るしかない』と泣きながらもう一年宅浪することを決意した次男。次男の人生はいつも泣いてばかりだ(泣)
長男に次男の気持ちを伝え、長男の力を貸してほしいと私から頭を下げてお願いをした。「次男は、模擬テストをうけても成績が伸びない・勉強の仕方が分からない・何につまずいているか分からない。と感じている。長男に遠慮して相談もできないと言っている。次男は長男に対して嫉妬があるのも事実だ。経済的に塾に行かすこともできないのも事実。私から言えることは次男のために勉強を見てあげて欲しい。」
長男は快くひきうけてくれた「いいけど、兄弟だから教えにくいんだよなぁ~。」と穏やかな表情で答えてくれた。
長男に頼むことしか私にはできない。私が教えることができればどんなに楽なのか。
長男には次男が中高一貫校不合格になったときに話をしたことがある
『お前には時間を割いて勉強を教えてきた。下の2人はそのせいで十分に教えてあげる時間がなかった。そのことを理解してほしい。下の2人を馬鹿にしたり邪険にするような態度をとることは私は許さない。自分だけ良ければいいという考えでいるのならば高校を卒業した時点で家を出てほしい』と
長男はおそらくその時の言葉を今でも覚えているのだと思う。いつも下2人に対しては優しく接してくれていた。だから私も長男に対して感謝の念を忘れず大切に育てたつもりである。
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