第4話 素内申
『ピンポーン』
家のベルがなった。高校受験をまじかに控えていた年末の出来事である。
玄関の扉を開けた。そこには中学校の先生(次男の担任の先生と学年主任の先生)がいた。
担任の先生『お母さん、大変申し訳ございません。お子さんの素内申の点数を間違えてお知らせしていたことが発覚しました。そのことでお詫びに参りました。』
私『はぁ?どういうことですか?』
担任の先生『27点と伝えたのですが実は25点でまちがえていました。』
私『今の点より下がるということですか。素内申を開票後に間違えであったということは大問題ですよ‼9教科の成績がオール3でなぜ25点なのですか‼』と尋ねたが
先生たちは申し訳ございませんと頭を下げるだけ。
結局素内申の点数は最初にお知らせがあった点より減点された点数が次男の点数となったのです。今考えるとあの減点がなければ公立高校は合格していたかもしれません。
合格発表翌日次男は学校に行き「不合格」と担任の先生に伝えた。担任の先生は勿論2次募集を出願すると思っていたらしいが一向に次男からその話がなく出願締め切りまじかに次男は担任の先生に呼び出された。
担任の先生『とにかく2次募集に出願しなさい』
次男『しません。僕は中卒でいいんです』
担任の先生『働くのならいいけど、働かないのなら受験しなさい』
次男『受験しません。親と相談して決めたことです』
担任の先生『中卒でどうするの?夕方お母さんに電話するから伝えておいて』
と言われ次男は帰宅した。
本当に夕方電話がかかってきた。
担任の先生からはとにかく2次募集の学校を受験するべきだと説得されたが、次男の意思は固く中卒でいいと決めたのでもうこれ以上変更はありませんと出願締め切り日まで何度とやりとりをした。
あの当時の私は素内申の変更を開示後にされた怒りもあり、担任の先生の言うことを素直に聞き入れ次男に2次募集を受験するように説得する気持ちにはならなかった。
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