第4話クラスメートの話(2)
今回は私の過去の話を書きます。
まず、話は小学校3年生の時まで遡る。
元々私は公園に毎日通って、毎日5時くらいまで走り回っている活発な女の子だった。
そして、学年では公園組とその他、という風に分かれていた。
公園組の子ははっきりとものを言い、頑固な人が多く、いつも公園では何で遊ぶか、などで言い合いをしていた。
そのA公園では、リーダーみたいな子がいて、
その子は、みんなに喧嘩してほしくないからと自分の意見を譲り「なんでもいい」といった人や話し合いから抜けたひとは、「話し合う気なくない?」など自分の仲の良い人達とコソコソ悪口を言うような子だった。
ある日、その人のやり方が気に入らなかった女の子が反発の声を上げた。
すると女の子は、「じゃあ、その子の味方をする人は遊具の下におりて。私の味方をする人は動かないで遊具の上にいて。」といった。
私は意味が分からなかった。どうして?味方とかは関係ないじゃない。なんで話し合えないの?
みんなはどう思ったかは分からないが、とにかく私はそう思った。
みんな動かず、遊具の下には反発した女の子だけがぽつんと立っていた。
その子はうつむき、泣いていた。涙を流しながら、みんなの荷物が置いているベンチの方へ歩いて行った。
私は言いたかった。そんなのひきょうだって。言いたかったけど、言葉が出なかった。言えなかった。言えなかったから、その代わりに遊具の下に降りた。
遊具の上にいるみんなは驚いていた。それもそうだろう。
あの時の私は、たぶん「あの子を助けたい」という思いだけで動いていた訳ではないだろう。きっとあの行動の中には、「いいことをしたら誰かが褒めてくれるから、いいことをしたい」という思いも含まれていた。
ベンチの方に向かうと、あの女の子と、ベンチで休んでいた男の子が座っていた。
男の子はそこには居なかったが一部始終は見ていたのだろう。
女の子はまだ泣いていたが、男の子がずっと励ましていたのと、あちら側にいた私がこっちに来たのと、元々のその子の強さで、少し経った頃には泣き止んでいた。
当の泣かせた本人たちは、こちらの様子を気にしてはいたが謝りには来なかった。
このままA公園にいても気まずい。だけどこのまま帰るのは何か悔しい。そう思った私たちは、A公園の階段で遊ぶことにした。
今思うとなぜそんな発想ができるんだと思うレベルのひねくれた発想だが、当時の私たちはそれが楽しくて仕方なかった。
そのA公園の階段は結構長くて、A公園からは上から覗きこまないと見れない仕組みだったから、グリコとかするのに最適だった。
「お前らまだ帰ってなかったの?」
「こんなところにいたんだ」
などというあちら側の人たちからの声が聞こえてきたら、女の子はガン無視、男の子は手でしっしっ、私は睨みつけていた。
この後から、A公園組と私との溝がふかくなっていった。
そんな事件が起きた後、坂本という人が行動を起こした。
坂本はあのときの事件の時はいなかったけど、前からあちら側のひとたちのやり方を嫌っていた。
そしてある日、その人が言った。
「あいつらが嫌なんだったら、あいつらと別の場所で遊べばいいんじゃない?」
私はそれだ!と思った。
あちら側の人たちはA公園で毎日遊んでいる。ならば、別の公園で遊べばいい!
私たちの地域には、広い公園が10か所くらいあり、場所には困らなかったのだが、大事なのはどこの公園を選ぶか…というところだった。
私たちはB公園を選んだ。B公園だったら、人が少ない、みんなの家から近い、程よくでかい、遊具がある、危険な崖などもある…と、条件が揃っていた。
その日から、私たち3人で遊び始めた。3人というのは、私、坂本、あとは坂本の親友だった宮、という男子だった。私以外全員男だったが、私はその頃は髪が本当に短くて男の子にしかみえなかったし、2人が関係なく接してくれていたのであまり気にしなかった。
何より3人とも3年間同じクラスで仲良かったので、喧嘩してもさっぱり切って、あしたには仲直りしている、という状態が楽しかったし、嬉しかった。
最初は3人だけだったけど、A公園組だったときのあの事件の時に階段で遊んだ男の子や私の友達、A公園の雰囲気が苦手な人がだんだん集まってきた。
みんな強要されるのを嫌っているため、やりたいことがあれば言う、やりたくない人はやらない、集まれと言われた場合集まるが、別に話し合いに参加しなくてもいい、やることがないときはコイバナをする…など、ほんわかした感じのルールになった。
小学4年で坂本とクラスが離れ、いろいろあったが…その話はまた今度。(宿題をやらねば)
続く
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