適当から適当

適当から適当

「この絵を真似して描いて下さい。お願いします。報酬は二千万円です。よろしいですよね。問題は特にありませんよね」

「そんな依頼を受けるわけにはいきません。断って下さい」

「この絵を真似して描いて下さい。お願いします。報酬は二千万円です。よろしいですよね。問題は特にありませんよね」

「二千万円ですか。そうですねぇ。二千万円にプラスで広告系の仕事を一件頂ければ」

「この絵を真似して描いて下さい。お願いします。報酬は二千万円です。よろしいですよね。問題は特にありませんよね」

「三千万。最低、三千。分ったら帰れ」

「この絵を真似して描いて下さい。お願いします。報酬は二千万円です。よろしいですよね。問題は特にありませんよね」

「あっ、二千万円ですか。最高過ぎませんか」

「この絵を真似して描いて下さい。お願いします。報酬は二千万円です。よろしいですよね。問題は特にありませんよね」

「あの、その。そういう真似とかはやってなくてですね。なんていうか、ちゃんとした仕事がしたいんです」

「この絵を真似して描いて下さい。お願いします。報酬は二千万円です。よろしいですよね。問題は特にありませんよね」

「もう、こんなことやりたくないんです。あたし、すっごく恥ずかしいです」

「この絵を真似して描いて下さい。お願いします。報酬は二千万円です。よろしいですよね。問題は特にありませんよね」

「お前、こういう依頼の仕方をしたって公表するぞ」

「この絵を真似して描いて下さい。お願いします。報酬は二千万円です。よろしいですよね。問題は特にありませんよね」

「口頭である限りはうけません。文章で下さい」

「この絵を真似して描いて下さい。お願いします。報酬は二千万円です。よろしいですよね。問題は特にありませんよね」

「問題、おおありだろ。馬鹿」

「この絵を真似して描いて下さい。お願いします。報酬は二千万円です。よろしいですよね。問題は特にありませんよね」

「問題は全くないですね。大丈夫です、お願いします」

「この絵を真似して描いて下さい。お願いします。報酬は二千万円です。よろしいですよね。問題は特にありませんよね」

「じゃあ、パクりじゃなくて、オマージュってことでね。ははっ、まぁ、そういう感じで。はいはい」

「この絵を真似して描いて下さい。お願いします。報酬は二千万円です。よろしいですよね。問題は特にありませんよね」

「前回よりも下がってるよねぇ。あり得ないよね、これ」

「この絵を真似して描いて下さい。お願いします。報酬は二千万円です。よろしいですよね。問題は特にありませんよね」

「あぁ、そういうのは弟子にやらせてるからさ。ちょっと待ってて、電話して呼び出すから」

「この絵を真似して描いて下さい。お願いします。報酬は二千万円です。よろしいですよね。問題は特にありませんよね」

「お前っ、ぶっ殺すぞっ。次、同じこと言ったら、許さねぇからなっ」

「この絵を真似して描いて下さい。お願いします。報酬は二千万円です。よろしいですよね。問題は特にありませんよね」

「はい。これで四度目ですね」

「この絵を真似して描いて下さい。お願いします。報酬は二千万円です。よろしいですよね。問題は特にありませんよね」

「問題は特にないですよねって、今更そういうこと言うんですか。ちょっと、笑っちゃうんですけど。こんなんばっかりじゃないですか」