次
「そして密漁日の前日。事件が起きたの」
「何が」
「えっと、わたしのいいなずけの相手が私に夜這いをかけてきたのよ。もしかしたら密漁者を狙うハンターに捕まるか、殺されるかもしれない。その前にいいだろうってね。これがチャンスとでも思っていたのかしら。でも私には心に決めた人がいる。そうそこにいる私の旦那の。すぽぽぽぽまるよ」
そんな名前なんかい。
「そしてすぽぽぽぽまると私との間に、ぽぽまるじゅにあであるぽぽじゅに、つまりあなたがうまれたのよ」
「俺の名前ぽぽじゅにかい!」
いや、前の名前もあまり好きじゃなかったけど、今回の名前も……。
「いやなの?」
母親は泣き出しそうな顔をしている。
「いや、いい名前だ」
実際、聞いた直後は驚いたが、よくよく聞いてみると響きはとてもよいし、かわいい。まるでゆるきゃらのようだ。
「そうっ、良かった」
母親は安どのため息を吐き出して俺ににっこりとわらった。にっこりにほっこりした俺だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます