「それにしてもどんな村なんだろう。二人がいた村は」

「私たちがいた村は密漁村よ。私たちの両親はいえ、村全員が密漁者なの」

 とんでもない爆弾発言を投下した母親。

「でも私たちはまだ密漁はしていなかったわ。その代わりに密漁村を支える食事や身の回りの世話を、準備を手伝っていたのだけど。それももうすぐ終わりの所ではあったのよ。今度、密漁に行けど指令が出たから」

「それはどうして」

「お前たちだけ手を汚さないのは間違っている。お前たちはこのままではカスだ。だからそうならないように、密漁に今度行ってもらうってそんな感じだったの」

「そうか。密漁自体がカスなのに。最低の人間たちだな」

「人間。彼らはどちらかと言えば、人間というより本能に従って生きる動物に近いのよ。それに実際村では頻繁に殺人が起きていたわ。いざこざ、争い、紛争、けんかなど」

 全部似たような同じ意味なんだけど、とは突っ込みを入れなかった。

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