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「というわけでよろしくお願いします」
「というわけでというか、何も私たちは知らないわ。詳しく教えてくれない」
「えっと、そうですね。言語をしゃべれるのは分かりましたよね」
「ええ、それは見れば。わかるわ。あなたがモンスターだという事もね。いい意味で」
まだ言ってやがる。まあいいけど。
「そうです。私はモンスターです。もちろんいい意味でです」
俺は母親の言葉にリリックに感性に乗っかっていった。
「私は前世は日本人でした」
「日本人? あの侍が支配する切り捨てごめんの?」
「そうです。いや、違うけど、そうです。なんか詳しいな」
「絵本で読んだの」
「侍の本! 逆に読みたい。どう脚色されているのかを」
「で、話の続きをどうぞ」
母親が赤ん坊に話を促すこの光景はある種の恐怖映像かもしれない。
「で、天使にどこに生まれ変わるかの相談をして、能力を貰って俺はこの地に生を受けたのである」
高らかに英雄がまるで剣を振りかざすかのように宣言した俺。
「そう。でもあなたの未来は明るいようで暗いわ」
「暗いのかよ」
「ええ、それも私たちが全部悪いのよ。全部ね」
そういって母は目から涙をこぼした。
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