そしてよくよく見てみれば、母親は血色があまり良くない。父親も血色があまり芳しくない。そして俺の血色はどうなのだろうか。家にあった鏡で自身の顔を覗き込んだ。

「うわあ、なんてもちはだ。ぷにぷにもちもちだ」

 あっやべっ。言語をしゃべってしまった。もちろんアフリカの言葉である。

「この子……喋ったわ! 化け物よ。化け物なのよ。いい意味で」

 いい意味でとつければ良いとでも思っているのだろうか。いや思っているのだろう。しかしそんな事よりも多分母親は父親は、両親は俺の事をすんなりと受けいれてくれたのであろうという事が理解できた。出来てしまった。それは両親の嬉しそうな顔を見ればわかる。俺はこの両親の為に親孝行をしたい。そう生まれてまだ間もないのだが思ったのだった。強く。強く。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る