第転生

 次はどんなところに生まれ変わるんだろうか。

 俺が考えていると、天使は頭の中を読んだ。

「どんなところが良いですか?」

「希望に沿ってくれるのか?」

「ええ、出来る限りは……」

「どうしてですか。俺は前世で何か良いことをしましたか?」

「そうですね。あなたはいじめられっこを救いましたね。彼は今は大企業の社長をやっており、社会貢献をしています。あなたが彼を救わなかったら彼はだめでしたね」

「じゃあ、間接的に俺が社会を救った事になるのか」

「そこまではいきません。ですが、まあ雀の涙ほどの貢献をしました」

「それにしても彼が社長になったとは。って俺は誰を助けたんだろう」

「記憶にないのですか。なら別に良いです。むしろ無意識に助けたのならばあなたの株があがりましたね。ワンランク上の報酬を授けましょうか。それにあなたはうそを言っていないのは私にはわかりますしね」

「それは嬉しい。で、どこに生まれようかな」

「またアフリカでもよいですよ」

「そうか。ちなみに善と悪の違いはなんだ。ペットの猫を助けたら善で、食べる為に動物を殺すのは悪なのか」

「それは私にもわかりませんね。宇宙的な事はただ私の独断と偏見で決めています」

「うそだろ。じゃああんたに好かれるか、嫌われるかで運命が変わるのかよ」

「まあ、私だけじゃないですけど、転生を助ける天使は無数にいますからね。あなたの担当者が私ってだけです」

 この天使はあたりなのだろうか、それともはずれ? 俺にはよく分からないし、考えたくもなかった。

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