第6話

懐かしい顔の主は、かつての仲間佐々木だった。


僕たちは、もちろん違法だと知りながら、手製の銃を作っていた。


「僕、今人を殺したい気分なんですよ」


佐々木はまるまると太った体をこちらに向ける


「ふっ。俺もだ。気が合うな。とりあえず、食料を買って作戦会議だ」


佐々木は、ポテサラを手にした。



佐々木の家に着くと、汚ない部屋のままで、懐かしく嬉しさすら込み上げてきた。


「変わらないな」


そして、まだ銃を作っていることもすぐにわかった。


「佐々木この尋常じゃない量の銃どうするんだ」


「俺もな母さんがあのスーパーで死んだんだ。お前の嫁が死んだ場所と同じだよ」


「なっ!!」


質問には答えず佐々木は衝撃の事実を口ちする。まだ、ポテサラも口にする前に。


「奇遇…いや、お前とは運命を感じる。俺がそれを知ったのは葬儀の後だった。車に轢かれたわけではない。車に驚いて心臓に負担がかかったんだ。母親のほんの数センチ前で車が急ブレーキで止まるそれがどんな恐怖か」


「スーパーは何もしてくれなかった」


うなづきながら、僕は独り言のように呟く。


「因果関係がないと言われた。もともと心臓病もあって、相手は車を停止させて無接触のわけだから、無実になった。面倒な裁判などを避け父は金をもらった」


「最悪な事態だ」


スーパーで777円のラッキーセブンの買い物をした時からもう不運は始まっていたと思っていたが、その前からこのスーパーもこの世も腐りきっている。


金が全ての世の中。


もう全員不幸になればいい。


僕と佐々木は、スーパーを血まみれにする計画を始めた。



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