第2話

救急車が到着して、病院に搬送されるも、ミキは命を引き取った。


理解ができない。足がとけそうで立っていられなかった。


顔に傷もなく、こんなにも綺麗な顔…。

呼びかけたら、起きてくれるよな!?




一目惚れだった。

僕を好きになってくれるなんて人生最高の出来事。


「面白いよ、一緒にいると」


そう言われてもピンとこなかった。

コミュニケーションが苦手。

ミキだけが、僕と楽しそうに過ごしてくれていた。


例外なく、彼女の両親にも結婚を反対された。


「本当にミキを幸せにできるのかね?」


父親が言ったその言葉にミキは、


「してもらうんじゃない!!一緒に幸せになるのよ!!」


僕の目にはうっすら涙の膜ができた。

しかし、それを乾かすような大きな声で宣言する。


「必ずっ…一緒にッッ…ミキさんと一緒に幸せになります!!」




結果的に嘘をついてしまったんだ。



医師からの説明には正気でいられなかった。


「新しい命と、ミキさん二人の命が奪われました」


理解できない頭でミキの最後の言葉が聞こえる。


「あとでさ、大事な話があるんだー!!いいニュース」


頭の中で何度も何度も何度も何度も繰り返された。



ミキのバッグの中には母子手帳があったのだ。




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