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どうせなら?
その、どこかおざなりな感じのする叔父さんの言葉が妙に気になったけれど、ぼくは、「ミズトくんたちにはあるいは難しいかもしれないけれど、知っていることをそのまま全部話そう」と言ってから話し始めた叔父さんの話を、黙って聞いた。
「おれとノイ
ふっと黙り込んだ叔父さんにぼくは尋ねる。
「それって、ルキンのこと……?」
「勘がいいね、その通りだよ」叔父さんは答えた。「ミズトくんの頭の中に住んでいるのは、退化させて、ミズトくんの意識の中に幽閉した、そのブラック・デーモンだ。正式名称は、QQT108XXだったから、一部の人間とおれは略して、XX《ダブルエックス》と呼んでいたけどね」
叔父さんはそこで、覚悟を決めるかのように一度息を吐いた。
「そしてそのXXは、圧倒的な強さだった。と同時に、想像を越えて凶暴だった。そのせいか、意識のコントロールがうまくいかずに、多くの犠牲者を出してしまった。合計で、三十三人もの職員と関係者が、喰い殺されてしまったんだよ。その間もそのあとも、ノイ姉と深海博士は、どうにか頑張ったけど、結局最後まで、XXをコントロールすることはできなかった。そこへ加えて、XXによる被害者の情報とクアットの存在が、世間へ漏れ出てしまうと共に、市民たちの反感が一気に高まり、クアットの研究と開発と生産が、表向きではあるものの、一旦休止されることになった。いくら人工的に作ったものだとしても、見た目が実在するないし、していた生物だし、わずかとは言え、ベースになる生物と琉金の、遺伝子情報を使っているんだからね。そうしてノイ姉と深海博士の二人は、犠牲者を出してしまったことに対しての、責任を取らざるを得なくなった。その責任というのは、それまでに開発したクアットたちと、ミズトくんの中に封じ込んだXXと共に、ここ『火星』の居住区に、送られるということだった」
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