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   ⌘


 どうやらルキンの声は、ぼく以外には聞こえないようだ。

 ルキンがしゃべったとき、わふなちゃんはなんの反応も示さなかったからだ。

 ルキンがしゃべって一瞬ギョッとしたものの、ぼくはほっと胸を撫で下ろした。

 とそれはさておき、一体なぜルキンには、未来がわかるような真似ができたんだろうか?

 不思議に思ったけれど、今はそれを考えている余裕はない。

 ぼくはわふなちゃんに、みかんを必ず連れて帰ると約束すると、玄関先まで送り届けたのちに、すぐに出発の準備に取りかかった。

 ぼくの腕時計型スマホは電話とメールしかできないようにフィルタリングされているものだから、わふなちゃんが見せてくれた地図の行き先をメモしなければと思ったけれど、どうやら一度行ったことのある場所っぽかったし、それにルキンが、だいジ、覚えてるヨ、と言うので、その点の心配はしないことにした。

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