第3話 浄化魔法?生活魔法ニャ
「え、なんでニャ?」
私が聖女ってのはなにかの間違いにゃ!!
そう考え、私が猫耳獣人であることや、どっちかというと白兵戦の方が得意ということを伝える。
「先代聖女様が薨去されて次代の聖女様について女神ノエル様より教皇様に神託が降りたのです。神託によるとこの村にいる若い女の子が聖女とだけ。女神ノエル様の光の導きによりこの村へ辿り着くことが出来ました。」
女神教皇国枢機卿クレアはそう教えてくれた。
どうやら最初は母ちゃんが聖女だとクレアは思ったらしい。確かに母ちゃん見た目だけは女の子だ。隣のおじさんを坊や扱いしてるからそういえばすごい絵面だな。
その母ちゃんが多分聖女は私だとクレアに伝えたらしい。
その理由は私が使える生活魔法らしい。
魔素操作である。
もの知りな母ちゃんの受け売りだが、この世界には
これは金属だったり草だったり肉だったり空気だったり、現実に存在する全ての元素に馴染んで存在している。ようはこの世界に存在している全てのものに
そして
母ちゃんはこれを魔素科学と呼んでいたが科学自体が私はどういった由来かはわからなかった。
この世界に存在するもの全てに魔素がある。例えば金属に含まれる魔素を操作し熱を発生させ溶かすことが出来て更に操作し造形を整え武器やアクセサリーに、肉に使えば母ちゃんが教えてくれたタンパク質というものを程よく分解して旨味を出したり、草木に使えばそれらに含む水を蒸発させ薬の原料となる粉末を作りだせる。
また大気中にある魔素をそれらに溶かし込むことも可能だ。
その応用で母ちゃんが教えてくれた科学と化学とかいうものを使って火を熾したり、水を作ったり、凍らせたり、雷を発生させたり、大気を操ったりも出来る。
色々暮らしに便利で日々の生活に便利だろー?と母ちゃんに教わった魔法。
それが生活魔法だ。
母ちゃんはこの生活魔法をレンキンジュツと呼んでたニャ
他には自然界にある生物に益の無いものが毒とされ、それがフラッピングエーテルにより更に超猛毒としたものが瘴気と言われる。私はそれを分解してなんかぶつけることで無害にすることができる。
生活魔法は母ちゃんから教わったものだけど魔力操作と生活魔法だけは母ちゃんの何倍も極めてしまったのが私だ。だから私が聖女らしい。
それが母ちゃんの言い分だった。
まあ村のみんなもある程度のことが出来るんだけどね。
生活魔法だけは私の得意分野なのである。ふふーんニャ
「ドヤ顔……浄化魔法が出来るということでしょうか……」
「浄化魔法?私が得意なのは生活魔法ニャ。魔法も使えるけど母ちゃんに禁止されてるニャ」
「くふふふ、まだあれ生活魔法とか言ってんの?くふふふ」
「母ちゃんなにか言ったかニャ?」
「いやなにも……ぷふふふふ」
母ちゃんが何か言ってたけどよくわからないニャ。また馬鹿にしてるのだけは間違いないニャ
「それではエレナ様、試しにどこか安全な場所で瘴気を発生させてもよろしいでしょうか?それで浄化を試して欲しいのです。」
「浄化?あ~瘴気を無毒化すれば良いのかニャ?」
「そうですそうです」
あっちにいくニャ!といって村の外のゴミ捨て場に来た。
ここは生ごみをたい肥にする場所でたまに毒素が猛毒化し瘴気になる為、私が偶に分解している。
「ここなら大丈夫ニャ」
「ありがとうございます。では」
クレアは黒い小瓶を取り出しゴミ捨て場に投げつけた。
パリン!と割れ黒い瘴気が煙の様に漂い始めた。
「うっは~クレアさんえっぐいな~、これ結構やばいレベルなんだけど。浄化できる人が居なかったらどうすんの?」
「私が上級魔力ポーションを10本使って漸くってところでしょうか。一応できます。これでも枢機卿ですので……」
「にゃー、このくらいなら森でも見かけるにゃ、分解して無毒化すればよいニャ。ニャー【ピュアリフィケイション】」
毒はタンパク質にまとわりついてたりするパターン。それを分解するとなんか白く光りそのあと淡い青の光に換わり透明になる。
生活魔法で傷治す時も、体内の毒を無効化する時も同じ様な光になる。
タンパク質系統は大体この色になる。母ちゃん曰く、そういうスペクトルらしい。化学式はメンドイから割愛ニャ。
生活魔法を唱え数秒で瘴気は無毒化され透明になった。
「これは……聖なる光……それに高位浄化魔法【ピュアリフィケイション】ですか圧倒的ですね……やはりエレナ様が聖女様なのですね」
「……え、確かに村では一番生活魔法得意ニャ……でもみんな出来ないこともないにゃ……」
「ぷふふふ!さすがエレナだね~っす、教えた魔法名もしっかり口に出してくれてて嬉しいな~。エレナしか聖女は考えられないな~自慢の娘だな~。まあ厳密にはピュアリフィケイションじゃないんすけどね(ぼそっ)」
「本当に歴代聖女様の中でも圧倒的な浄化スピードです!まるで伝説として語られる大聖女セレスティーナ様のようです!」
セレスティーナ?どっかで聞いたような気がするけどきっと気のせいにゃ。
「え、えへへ……そうかニャ?」
なんかチヤホヤされそうで満更でもない気分でもある。
それなら聖女としてなんとか教皇国?まで旅しても良いかな~なんて思って気分は上がっていた。
でも……村を離れるのか……どれくらい?それを考えるとスンと気分が反転する。
「……ちょっと考えさせてほしいニャ……」
「まあそうですよね……では私共は近くで野営していますので3日後にまた来ます。その時にまた私共からお話をさせてください。」
そういいクレアは去っていった。
それよりも
「母ちゃんなんで人間には聖女が必要ニャ?」
「まあそれはクレアさんが教えてくれるだろ。それにクレアさん多分純粋な人間じゃない気がするな~。あの髪の色に、あの目の色だしどっかでみたことあるんだよなあ」
確かにクレアの髪色は淡く緑がかった銀色で目はやや薄い赤だった。
ハイエルフは確かに銀髪で
「私や母ちゃんみたいに銀髪で
私もハイエルフの血が濃かったからこの色なんだと漸く気づく
「まあそうだね。それに他の人達もみんな悪い人たちじゃなかったな。」
「そうにゃ、特に獣人だからって変な目で見てこなかったニャ。悪意は魔力でなんとなく伝わるニャ。それが無かったニャ。」
「大昔に隣国に攻められたって聞いたけど詳しくは私も生まれる前だしわかんないな。これでも私一番の年長者なんだけどな~」
母ちゃん何歳ニャ……?
「それよりクレア大丈夫かニャ?村の外、結構瘴気あるけど野営で魔力ポーション足りるニャ?」
「あ、そりゃやべえっす……村に入れよう。5人くらいでしょ。集会所に泊まってもらお」
私達は慌てて、クレア達を村に呼び戻した。
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