140-ポケットの中編
幼「ポケットの中にはビスケットが――」
僕「言わせないよ」
幼「迅速なリスクヘッジ!」
僕「身内から著作権侵害者を出したくないからね」
幼「身内……?」
僕「どうせ結婚するんだから」
幼「……♡」
ツ「たまに妙にラブコメするのやめなさいよ」
~ ~ ~
幼「エアポケットに入った!」
僕「なんとなく使ってるけど詳しい意味はわからない言葉シリーズが始まったぞ」
幼「うっかりミスした時に使うよ!」
僕「大体それで合ってるらしい」
幼「私と僕くんの関係もそのうちエアポケットに入っちゃう……?」
僕「ないよ」
幼「根拠は!?」
僕「だってもうゴールしてるし」
幼「私の推しが今日は異常に優しい件」
~ ~ ~
幼「ポケットには無限の可能性があるの!」
僕「単なる物入れじゃん」
幼「これと一緒だよ!」
僕「猫だ」
幼「そう! キジトラだよ!」
僕「そういえば学校の近くにできた猫カフェに可愛いキジトラがいるらしいよ」
幼「今から行こ!」
ツ「本題!」
ア「巧妙に話題を逸らされて本当に話したかったことを忘れる、あるあるでござるな」
~ ~ ~
幼「つまり実際に中身を弄ってみるまで中に何が入ってるかわからないってこと!」
僕「それでシュレディンガーなんだね」
幼「そう! シュトーレン!」
僕「菓子パンだけど」
幼「シュノーケル!」
僕「スキューバダイビングでもするの?」
幼「しゅ、しゅ、シュガーソングと!」
僕「ビターステップ」
幼「オリオンをなぞるもオススメだよ!」
僕「いつからユニゾンスクエアガーデンの宣伝話になったんだろう」
~ ~ ~
幼「ポケットの中には何が入ってるんだろ~~~!」
ツ「急に人のポケットに手を入れないの!」
幼「ハンカチ」
ア「ちり紙」
僕「ミンティア」
幼「女子高生なら可愛くポケットティッシュと言わない???」
僕「ていうかアサシンちゃんいたんだ」
ア「某の出現に気を取られて持ち物がしりとりになっていたことに気付いた人は何人いるでござるかな」
~ ~ ~
幼「可愛げない!」
ツ「人のプライバシー暴いておいてその言い草!」
幼「もっと胸がドキドキするような物はないの!?」
ツ「そんな都合よく人様の話の種になるような物持ち歩かないわよ!」
僕「あ、なんか小さな日記帳が出てきた」
ア「『親友の彼氏を好きになってしまった時の108の対処法』」
ツ「消し去りたい過去とかポケットに詰めようかしら」
幼「それをポケットに詰めるだなんてとんでもない!」
~ ~ ~
僕「アサシンちゃんだけ蚊帳の外だけどポケットには何が入ってるのだろうか」
ア「見るでござるか?」
僕「なら遠慮なく」
ア「ふふ」
僕「特に何も入ってないけど」
ア「いや、入ってるでござるよ」
僕「……手が抜けない」
ア「蛇のようにしつこくて狡猾な搦め手がね、でござる」
僕「……おおう」
ツ「ここ最近たまにしか出ない上に密かに僕くんに想いを馳せてるだなんて設定覚えてる人がどれだけいるのかしら」
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