132-旋律編

幼「恐怖体験!」

僕「それは戦慄する方だね」

幼「この間は楽しかったね!」

僕「それは先日」

幼「美しい音色!」

僕「それが旋律」


~ ~ ~


幼「メロディアスな人生にしたいの!」

僕「今でも十分にメロディアスだよ」

幼「もっとこう、喜びを増やして」

僕「おお」

幼「悲しみも加える!」

僕「もとに戻ってるじゃん」


~ ~ ~


幼「旋律と言えば!」

僕「楽器かな」

幼「うぷぷ、浅はか~♪」

僕「ここまで典型的なディスできる幼馴染ちゃん凄いね」

幼「管楽器とか弦楽器とか区別くらい付けて欲しいの」

僕「それ言うならフルートとかオーボエみたいに固有名詞くらい持ってきなよ」


~ ~ ~


幼「君の人生、まだまだエチュードさ、どや」

僕「学びの最中だからってことかな」

幼「ちなみに私の人生は!」

僕「スケルツォって感じ」

幼「そ、そそそそ、そうなの! それを言いたかったの!」

僕「知らない楽曲区分が出てきたからって目に見えて焦り過ぎだよ」


~ ~ ~


幼「マイライフイズスケルトン!」

僕「人生終わっちゃってるじゃん」

幼「す、すすすす、スカルゴ!」

僕「頭にエを付けたらかたつむりだよ」

幼「す、すすすすすす、スケートリンク!」

僕「ユーリオンアイスの劇場版制作中止、本当に残念だよね」


~ ~ ~


幼「夢は全国金賞! 北幼馴染ちゃんの音を残酷に響かせるよ!」

僕「ま~た何のアニメに影響されたか丸わかりの台詞使い出した」

幼「音楽は人類が生み出した素晴らしい文化だよ」

僕「そうは思わない」

幼「えっ」

僕「生きとし生ける全ての物に平等に許される権利であるべきだよ」

幼「近所の犬だって私に向かっていつもメロディ奏でてるもんね」

僕「それは単に幼馴染ちゃんが怖くて吠えてるだけだよ」


~ ~ ~


幼「自作楽曲制作ツールを使って曲を作るの!」

僕「Vtuberのプロデュースするの?」

幼「いつオファーが来てもいいように準備するの!」

僕「先行き不安すぎる」

幼「まずは著作権の切れた楽曲のコードをなぞって」

僕「不安どころか既に沈没していた」


~ ~ ~


幼「落ち込んだ時によく聞く音楽~♪」

僕「失恋ソングとかかな」

幼「意外! なんでなんで!?」

僕「どんなしんどい時でもさ、失恋の時と比べたら大した事ないって思えるから」

幼「そうなんだ」

僕「……」

幼「え、私、僕くんを振ったことないよ?」

僕「もうワンテンポ早くその切り返しが欲しかった」


~ ~ ~


幼「メロディにメロメロ!」

僕「小学生でも言わないダジャレからスタート」

幼「僕くんは何にメロメロ?」

僕「言っていいの?」

幼「うん!」

僕「君」

幼「……♡」

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