131-非常階段

幼「病院の外壁沿いにある非常階段って螺旋状の滑り台になってて超楽しいの!」

僕「それ、非常階段なの?」

幼「ちゃんと階段も設置されてるの!」

僕「じゃあ、非常階段か」

幼「でも、非常時以外も普通に使われてるの」

僕「非常階段じゃないじゃん」


~ ~ ~


幼「非常階段と言えば!」

僕「避難」

幼「不倫の逢引だね!」

僕「その発想を非難するよ」

幼「背徳感で燃え上がるのはいいけど、会社にバレると大変だから気をつけて!」

僕「罷免されちゃうからね」


~ ~ ~


幼「どうして非常階段は外にあることが多いの??」

僕「建築物内部で問題が発生した場合の避難経路としての用途が主だからじゃないかな」

幼「詳しい! さてはプロだなあ???」

僕「非常階段のプロって普段どうやって食いつないでるの?」

幼「火災起こしたり?」

僕「とんでもないマッチポンプだ」


~ ~ ~


幼「かんかんかん! かんかんかん!」

僕「スチールはいい音するよね」

幼「ギシギシ言うだけの木とは違うの!」

僕「僕は好きだけどね」

幼「やっぱり階段といえば木材だよね!」

僕「心変わりが光より速い」


~ ~ ~


幼「非常階段なんてなければいいのに」

僕「もしもの時にないと困るじゃん」

幼「それが駄目なの!」

僕「ふむ?」

幼「もしもの時なんて来なければいいの」

僕「理想は叶わないから理想なんだなあ」


~ ~ ~


幼「非常階段エピソード!」

僕「なんか新しいコーナー始まった」

幼「私が全身複雑骨折で入院していた頃の話なんだけど」

僕「初耳なんだけど?」

幼「夜になると、非常階段からすすり泣く声が聞こえてきたの」

僕「怪談って落ちかな?」

幼「気になって扉を開けて階段を覗くと、翌日手術を控えてる小さな子が泣いてたの。だから私は」

僕「ナーバスになってたんだね」

幼「そのまま放置して眠ったの」

僕「非情階段じゃん」

幼「ていうか全身複雑骨折なのにどうやって歩き回ったのか突っ込んでよ!?」


~ ~ ~


幼「非常階段を使ったトレーニング!」

僕「常用階段じゃん」

幼「うさぎ跳び!」

僕「膝壊すよ?」

幼「を、させる!」

僕「監督役なんだね」


~ ~ ~


幼「じりりりりりりりりり!」

僕「非情ベルの音が何故か幼馴染ちゃんの口から鳴り響いた」

幼「迅速に避難だよ! 非常階段を使う時の鉄則は!?」

僕「押さない・掛けない・喋らない」

幼「もんどり打たない!」

僕「ちょっと違うなあ」


~ ~ ~


幼「一々階段を踏むのは時間の無駄だと思うの!」

僕「確かに速いに越したことはないけれど」

幼「だからね、私画期的な時間短縮法を思いついたの!」

僕「まさかタイヤみたいに転がり降りろって言わないよね?」

幼「飛び降りよ! 手すりから!」

僕「非常階段という概念のあり方が問われる発想だった」

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