128-心編

幼「下心!!」

僕「真心で行こう」

幼「恋と愛の違い!」

僕「恋はするもの。愛は?」

幼「落とすもの♪」

僕「かっこよくて惚れそう」


~ ~ ~


幼「もし私に心がなかったとして!」

僕「はいはい」

幼「僕くんなら、どうする?」

僕「あまりにも漠然とした問いかけだね」

幼「心がない私を、どうする?」

僕「可愛がるかな」

幼「僕くん……」

僕「普段と違って従順で大人しそうだから」

幼「今すぐAIになりたい!!」


~ ~ ~


幼「心が震える瞬間!」

僕「感動巨編を読んだ時」

幼「頼んだラーメンに大きめのチャーシューが紛れ込んでた時!」

僕「大連敗してたボスをようやく倒せた時」

幼「給食の余ったプリン争奪じゃんけんで勝ち残った時!」

僕「心ではなくお腹が震えてるよ」

幼「育ち盛りだから!!」


~ ~ ~


幼「短気は損気というけれど!」

僕「アンガーマネージメントで怒りをコントロールしたほうがいいとも言うしね」

幼「私は決して悪くはないと思うの!」

僕「ふむ?」

幼「本当に不必要だったらそもそも神様が人間に怒りなんて言う感情を与えたりはしないよ?」

僕「幼馴染ちゃん」

幼「だからね。皆もつい怒っちゃう自分のことを、嫌いになっちゃ駄目だよ?」

僕「アプリのガチャで天井到達してスマホ投げて壊した自分を正当化しようとするのは間違いだと思うよ」


~ ~ ~


幼「心とは! 触発されて育つもの!」

僕「今日はいやに哲学的だ」

幼「他人の優しさに触れた時、自分の小ささを知るの!」

僕「どっかの歌のパクリみたいなこと言い出した」

幼「だから皆も大きくなりたかったら色んな人と交流を持つんだよ???」

僕「以上、プライベートでは基本的に僕にばかりべったりの幼馴染ちゃんからの薄っぺらいお言葉でしたとさ」


~ ~ ~


幼「報われる心があれば、報われない心もあるの!」

僕「具体的には?」

幼「恋愛の勝者は一人だけってこと!」

僕「残酷だよね」

幼「でもね、散ってしまった心だからこそ放てる輝きっていうのも、あるんだよ?」

僕「近頃流行りの負けヒロインだからこその魅力ってことかな」

幼「だから皆は勝ち負けに拘らずどんどん自由に恋愛してほしいの!」

僕「と、彼氏持ちの幼馴染ちゃんに言われてても納得できないと思うけど」


~ ~ ~


幼「思っていても行動に移さなければそれは思ってないのと一緒なの!」

僕「うわ、なんか嫌な言葉使うなあ」

幼「君のためなら命だって捧げる! とか豪語したくせにいざ自分が死ぬってなったらあっさり見捨てて逃げるような人間の心なんて無きに等しいの!」

僕「逆に自分のことを何とも思ってない人でも助けてくれたら感謝とか感激とか感じるもんね」

幼「考えるよりまず行動! が大事だよ?」

僕「勢いだけで生きてる自分をさり気なく上げようとしなければ素敵だったのに」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る