126-肺編

幼「はい! 元気です!」

僕「のっけからお約束みたいなボケかますね」

幼「肺だけに! テンションハイ!」

僕「勢いだけはある若手芸人みたいだ」

幼「好きなスポーツは!」

僕「バレーボールです」

幼「盗られた!?」

僕「相変わらず落ちが読みやすい」


~ ~ ~


幼「ふしゅるるる! ふしゅるるる!」

僕「戦時下の狂戦士みたいな呼吸繰り返してどうしたの?」

幼「さっき持久走だったの!」

僕「ああ、頑張ったんだね」

幼「こういう時もっと肺が頑張ってくれれば早く楽になるのになって思うの!」

僕「二つでは限界がある」

幼「……そうかっ!」

僕「上下に切り裂いても倍になったりしないよ」


~ ~ ~


幼「ひっひっふ! ひっひっふ!」

僕「ラマーズ法でどうしたの?」

幼「呼吸つながり天丼!」

僕「伏線を生かした丁寧なボケだね」

幼「ほんとは肺活量鍛えてたの!」

僕「どうしてまた?」

幼「今年は絶対全国金取りたいから!!」

僕「これまた何のアニメにはまってるか一目瞭然だなあ」


~ ~ ~


幼「肺があるならいいえがあってもいいと思うの!」

僕「滅茶苦茶ネガティブな器官だなあ」

幼「いいえ! いいえ! 邪魔な二酸化炭素を押し出すの!」

僕「何気に高性能なフィルターだ」

幼「フィルター設定をすれば大好きな人の吐き出した二酸化炭素のみ体内に取り込むこともできるよ!」

僕「危ない人にめっちゃ高値で売れそうじゃん」


~ ~ ~


幼「ラング!」

僕「ランガー」

幼「ランゲスト!」

僕「そんな三段階活用はない」

幼「ポケモンの進化過程みたい☆」


~ ~ ~


幼「肺がんはとっても怖いって聞いたの」

僕「うっかり罹患すると死を覚悟したほうがいいらしいね」

幼「絶対にかからないように気をつけたい!」

僕「いい心がけだね」

幼「そのためにまずは喫煙者全員をデストロイ!」

僕「タバコ禁止の政策を打ち出すという穏やかな方法から試してみようじゃないか」


~ ~ ~


幼「てりゃ! うりゃ!」

僕「さっきから何をするんだい?」

幼「的をめがけてボールを投げてるの!」

僕「ゴムボールだから痛くないけど何のためにそんなことを?」

幼「これがほんとの――」

僕「ハイボール」

幼「うえーん!」

僕「高校生が扱うネタではないよ」


~ ~ ~


幼「すぅ~~~~~~! ふぅ。すぅ~~~~~~~! ふぅ」

僕「何とも偏った呼吸をしているね」

幼「私の崇高なる理念を体現するためには必要なのですよ、僕くん」

僕「やべぇ宗教のやべぇ信者みたいな顔してる」

幼「こうして大きく息を吸い込み、吐き出す時は控えめに」

僕「とんでもない神様を崇拝してるのかな」

幼「なんで盗るの!?」

僕「うん???」

幼「崇拝!」

僕「……ああ。吸う・肺、で崇拝か」

幼「今気付いたの!?」

僕「いえす」

幼「言わなきゃ良かった~~~!」

僕「結局どうあっても自爆する運命なんだなあ」

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