125-展望台編

幼「流れ星が落ちるまでに三回願いを唱えるとね、叶うんだよ!」

僕「ふぅん」

幼「どうしてドライなの!?」

僕「それ、証拠あるの?」

幼「実際に叶った人が喜びの声をあげてるよ!」

僕「それ、別に流れ星に願わなくても叶ったんじゃないの? 流れ星に願ったから叶ったっていう証拠がなきゃ信じられないよ?」

幼「夢がないよ!?」

僕「人の夢は儚いからうっかり見ないように自衛してるんだよ」


~ ~ ~


幼「天体観測~! って、青春っぽいよね!」

僕「夜、星を見ながら、若い男女が二人きり、とかいうベタなシチュエーションが作りやすいからね」

幼「最近だとアレ!」

僕「君は放○後インソムニアね」

幼「よくこんなヒントでわかるね!?」

僕「僕誰だと思ってるの? 幼馴染ちゃんの彼氏だよ」

幼「♡」


~ ~ ~


幼「午前2時~♪」

僕「ストップ」

幼「になると望遠鏡を担ぎたくなるよね!?」

僕「ギリギリセーフということにしておこうか」

ツ「余裕でアウトよアウト!」

ア「今日はちょっと登場早かったでござるな」


~ ~ ~


幼「展望台って意外と近くにないよね?」

僕「ヲタク知識で物申すとまず海沿いじゃないと中々見当たらない感覚だね」

幼「丸っこいイメージ」

僕「円柱形でど真ん中にエスカレーターが通ってるみたいな」

幼「そして良く破壊される!」

僕「昨日コナンの映画見に行ったな???」


~ ~ ~


幼「慣れ親しんだ町並みでも高いところから眺める印象が変わるよね!」

僕「時間が夜だったとしたら余計にね」

幼「ああ、見飽きてる私たちが住んでるところも展望台から見ると」

僕「うんうん」

幼「人がゴミみたいに蠢いてるのがわかるよ」

僕「急に宮崎駿の世界観になってきたなあ」


~ ~ ~


幼「いえ~い!」

僕「いるいる。望遠鏡の前に突っ立って邪魔する人」

幼「普段使わない道具を前にするとウキウキしちゃう!」

僕「わかるけど」

幼「ぐるぐる~ぐるぐる~!」

僕「それ壊したら何十万っていう請求が来るから取り扱いは慎重にね」

(バキ)

僕「さ、そろそろ帰ろうかな」

幼「あっさり見捨てないで!?」


~ ~ ~


僕「展望台と書いて」

幼「はい!」

僕「幼馴染ちゃんと説く」

幼「その心は!?」

僕「どちらも意外な一面を覗くことができるでしょう」

幼「おー!」

僕「意外とズボラとかね」

幼「いい雰囲気だったのに落とさないでよ!?」


~ ~ ~


僕「閉館時間だよ、帰ろう」

幼「うん……」

僕「寂しそうだね」

幼「こうやって僕くんと過ごす一日がまた一つ減っちゃったって思うと悲しいの」

僕「また来よう。限りがあるからこそ、一日一回が尊いのさ」

幼「うん!」

ツ「なんで最後ちょっといい話風に締めるのかしら」

ア「たまにはね? の精神でござろうな」

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