124-液晶の中編
幼「さながら今日の私は近未来型ナビゲートAIだああああああ!」
僕「液晶の中と言われて真っ先にそこが思いつくあたり幼馴染ちゃんの趣味性癖が窺い知れるね」
幼「映画とか見るたび憧れるの!」
僕「わかるわかる」
幼「AIに人生管理されるの!」
僕「だいぶこじれたロマンだなあ」
~ ~ ~
幼「スマホとかモニターの中に入れたら何をする!?」
僕「元に戻ろうとするよ」
幼「ふつー!」
僕「幼馴染ちゃんは?」
幼「何すればいいかググる!」
僕「一回出てるじゃん」
~ ~ ~
幼「中に入ったままでも検索エンジン使えるかもしれない!」
僕「その可能性は考慮すべきだったかもしれない」
幼「もし端末がウイルスに感染したらどうなるのかな?」
僕「幼馴染ちゃんも感染するんじゃない?」
幼「やだ怖い!」
僕「僕が命に変えても守るから安心して」
幼「キュン」
僕「ただでさえ煩いのも変なウイルスにかかって凶暴化したら大変だからね」
幼「彼女の扱いにしてはひどくないかな??????」
~ ~ ~
幼「ブルートゥースとかなんか、そういう電子的なアレを使っていろんな端末に移動できるのかな!?」
僕「完全にデータ化しちゃってるからできそうではあるよね」
幼「めっちゃ未来的!」
僕「でも、何も変わってないと本人は思っていても、実は誰かにデータを書き換えらてちょっと違う自分になってるかもしれない。怖くない?」
幼「えっ」
僕「幼馴染ちゃんはもう僕が知ってる幼馴染ちゃんじゃないかもしれない」
幼「そんな怖いこと言わないで!」
~ ~ ~
幼「液晶の中って狭いのか広いのかわからない!」
僕「物理的には狭そうだけど、データ空間はいくらでも拡張できそうだから、広々とはしてるんじゃないかな?」
幼「なんか流れてくる敵を倒したらアイテム拾ったりするゲームも永遠に続いてくもんね!」
僕「そうそう、あんな感じに」
幼「私と僕くんの縁みたいだよね!」
僕「zzz」
幼「なんで寝るの!?」
~ ~ ~
幼「液晶の中に入れたらまっさきに僕くんのSNS悪用してやるんだから!」
僕「どんな風に?」
幼「ネガキャン連発で炎上させるの!」
僕「ほう?」
幼「お前んとこのお弁当、時が経てば経つほど底上げがえぐくなるな! とか!」
僕「多分同意してくれる人ばかり単純にフォロワー数増えて終わりだよ」
~ ~ ~
幼「私には炎上芸すらできないんだ……」
僕「なんか知らないけど落ち込みだした」
幼「こんなダメダメな私は液晶の中にしまわれちゃえばいいんだ」
僕「あ、どこかで聞いたことある流れだ」
幼「閉まっちゃうオジ――」
僕「また来週」
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