⑭ゴールデンウィーク編

「ゴールデンウィ~~~~ク!」

「季節感って言葉を幼馴染ちゃんに教えてあげたい」

「大型連休だよ大型連休! 僕くん何する何する???」

「連休といえばやっぱり遠出だよね」

「ディズニー、キャンプ、富士登山!」

「なんか最後だけ妙に日本人っぽさ出ちゃったけど」

「ふふ、バーベキューも忘れちゃダメよ、幼馴染ちゃん!」

「某は、くるうざあ、の上で釣りとかしてみたいでござるなあ」

「当たり前みたいに二人も付いてくる気なんだねえ」


~ ~ ~


「くるるん♪」

「白いワンピースに麦わら帽子、あざとい」

「あざとい私はきらい~?」

「だったら一緒に遊んでないよ」

「えへへ♪」

「のっけから今日はエンジン全開ねこの色ボケカップル!」


~ ~ ~


「遊園地といえば」

「ジェットコースター♪」

「か、観覧車っ」

「コーヒーカップにござる!」

「お化け屋敷とかは――と、露骨に目をそらさないのツンデレちゃん」


~ ~ ~


「とゆーわけで皆でお化け屋敷にはいろー!」

「むー! むー!」

「ツンデレちゃんが違法捕獲されて密輸寸前の動物みたいになっている」

「だいじょぶだいじょぶ~♪ すぐ終わるから、ね?」

「むむむー! むーーー!」

「取り乱すツンデレちゃん、対照的に澄んだ湖面みたいに落ち着いているアサシンちゃん」

「……」

「あ、違う。これ未来を想像して気絶してるだけだ」


~ ~ ~


「ひぃぁ! ひぃぃぃぁあああ!」

「こわいねぇ♪ こわいねぇ♪」

「幼馴染ちゃん、わざわざアルコールシートで冷やした手でツンデレちゃんに触らなくても」

「……」

「そしてツンデレちゃんは借りてきた猫みたいになっている」

「ぶわぁ~~~!」

「ひゃうんっ!」

「また幼馴染ちゃんは……アサシンちゃん、大丈夫?」

「……う、うん。ありがと……っ!」

「……」

「僕くん、頬が緩んでるよ?」

「いやだって急に正統派美少女みたいな振る舞い見せられたんだもん」


~ ~ ~


「びえ~ん! びえ~ん!」

「袖……握ってても、いいかなあ……?」

「まったくもう、僕くんってば私ってものがありながら他の雌にうつつを抜かすんだから!」

「あ、幼馴染ちゃん!」

「今更焦ったって遅いんだも……って、うわわ!」

「危ない!」

「……ふぅ。間に合った」

「僕くん、私の代わりに下敷きに……」

「――スタッフの人が」

「ごめんなさいごめんなさい!」


~ ~ ~


「観覧車に乗るとやりたくなること~!」

「いえーい」

「向かい合って見つめ合う……!」

「隣り合って肩に頭を乗せるでござる~!」

「止める♪」

「幼馴染ちゃんゴンドラの中で飛び跳ねないで」


~ ~ ~


「たのしかった~!」

「幼馴染ちゃんのせいでめったくそに係員さんに怒られたし最悪よ~!」

「某、もう二度とこの遊園地には来れないでござる……」

「幼馴染ちゃん」

「うゆ?」

「楽しかったなら素直に楽しいって言ったほうが良いよ」

「だって、普通に言うの、恥ずかしいよ」

「そういう可愛いところ、もっと全面に押し出せばいいのに」

「私の素は、僕くん専用だよ?」

「あー、今日は最初から最後まで甘ったるいわねもう!!」

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