最終楽章 後編 人体錬成VS人体錬成
” 運命 ” その1
” 運命 ”
ー アルケミスト駅 翌日 12時 ー
私は1人になっても進み続ける。
いや1人で進まなければならないんだ。
多分このままみんなと居ても迷惑がかかるだけ。
本音を言えば1人でこの人生を終えたい。
・・・・って出来たらどれだけ楽でしょうか?
私の命だけではない。ニコラス・スラーの魂を吸収したから。
それに私が狙われたのなら次は同じ遺伝子を引き継いだニャラケルが危ない。
彼女は私を支えようとして結局喧嘩別れとなった。
それこそ死んでも死にきれない。
☆☆☆
「ニコラス・スラーだな?」
首無しメイドが合成音声で語り掛けてきます。
そして鏡に映った花の画像を見せつけて。
私は首を縦に振り彼の者に従う。
「待て、スマホを預けてもらう」
「アンタたちに渡すぐらいなら壊したほうがマシ。きひひひひ」
なるほど、頭は回るようですね。
盗聴、盗撮、位置情報、スマホは個人データの塊。
逆に言えば他人に預けるくらいなら壊したほうがいい。
物理的に2つに折れなかったので魔法で炎を纏わせて破壊します。
ついにみんなとの連絡手段が絶たれ引き返せなくなる。
怖いけれどそんなの覚悟の上、
首謀者が私をどれだけいたぶってもみんなには手を出させないから。
☆☆☆
ー
どこに連れていかれるのかと思ったら百合の鳥島だった。
おかしい、つい先日来たばかりなのに。
要領が悪いですね、その時に話せばいいだけのはず。
「初めまして、いえ数日ぶりだ。ニコラス・スラー。
いや不正・キョウカ」
「アンタは市長?せめてアロハシャツは着替えなさいな。
ボス登場ってのに締まらないでしょうに」
新感覚、ラフな格好で来る市長。
「どうやら1人できたようだな?仲間はどうした?
ハハハ、いや失礼。 ” 昔 ” みたいにイジメて孤独になったか」
だいたい候補は絞れていたけど、いざ対面すると事実は重くのしかかる。
「昔の名前知ってて困惑したけどやっと把握できた。
こっちの世界に来たんなら菓子折り持ってきなさいよ、
”
せめて仮面ぐらい取るのがマナーでしょ?」
「そうだな、んー取れない!キョウカ!手伝って!!!」
「シリアス展開貫き通しなさいな!!!!!!
あーもう!どうして変な結び方してんの!
もうちょっとしゃがんで!アヤメのほうが身長高いんだから!
そういうとこ直せって何度も言ったはずじゃん!!!」
「・・・・・面倒見のいいところは変わらないね、キョウカ。
コホン!刮目するがいい!!!!」
「いやアンタの顔なんて知って・・・・・・・どうして私と同じ顔なの!」
アヤメの顔じゃない!私と同じ?どうして?
私はアヤメをイジメて不登校に追い込んだ。それなのに何故?
「単純な話だ。クラスのリーダー格にキョウカをイジメろと命令され、
あたしは拒否した。
キョウカに酷いことするなんてあたしにはできなかったんだ」
「じゃあ私がアヤメを不登校に追い込んだのって
リーダー格が私たち同士をイジメるゲームでもしてたってことなの!!!」
「ああ、結果的にそうなったんだ。
だが本質はそこではない。
気が付いてしまったんだ。
” 私はキョウカに対して愛が足りなかったんだと ”」
「いや意味わかんないし」
「キョウカがイジメられていたことをあたしは知らなかったんだ。
全てを知ったのはキョウカが保健室登校を始めた時担任から」
「そりゃ当人に直接言うわけないじゃない。
って知りたいのはそこじゃないから!どうして私と同じ顔なのよ!!!!」
アヤメは油断すると話が脱線しちゃうからね。
「ハハハハ、世の悪役が負ける敗因は何だと思う?
余計なことをしゃべりすぎることだ。
だからあたしは自身の能力も教えない」
「ああそう、私に恨みがあるなら殺せば?
情報得られないなら生きる価値ないし」
護身用のナイフを彼女に投げて両手をほうり投げる。
まぁ私がイジメてたし因果応報と言えるか。
「ゑ?これからいっぱい愛し合う予定なのに!!!!」
「いやこっちは被害こうむってんの!!!
せめて情報吐きなさいな!!!」
「うーん。ああこれならいいか。
キョウカは実は人体錬成で誕生して本物のニコラス・スラーは
アトランティアで死んじゃったって事」
は?カラオケ次何歌うー?みたいなノリで何言ってんのこの女!
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