” 威風堂々 ” その1
私達は冬休みを利用して
旅行を偽装していますがやることは王都への侵略行為。
まぁ攻撃することは宣言していますし、王都との会議でも
「あーあの島ね。漁獲量変わらないないなら別にいいけど、
あと海底資源は折半ね」と言われる始末。
王都としても治外法権たるアルケミストと共同開発では他国に
示しが付かない。
なぜならここで融和する姿勢を見せればアルケミストだけでなく
他国が権利を主張し収集が付かなくなるから。
アルケミストを独立国家として管理下に置きたいのが王都の結論。
私なら戦争に負けるほうが恥だと思いますが・・・・。
どちらにせよ王都の取り分は変わらないのだから
真面目に戦う気はないらしい。
☆☆☆
ー 海洋都市アトランティア ー
ポルタメント女学園からアルケミストを経由しアトランティアへ。
駅前に大型スーパーがあり、あとは魚系の個人店がちらほら。
完全に仕事場としての効率化を求めた結果、
学校はアルケミストに移転しました♨
全寮制にしたほうが通学の手間省けます。
本当はテレワーク的な通信教育に全て置き換えたいのですが
学生から青春を奪うのは良心の呵責といいますか・・・
少し気が引けてしまう。
☆☆☆
駅を出てすぐの噴水が待ち合わせ場所。
ちなみに市長を除く住人は全て撤退済み。
「おやおや遠路はるばる、ふむ、思ったよりお若いですね。
アトランティア元開発責任者 ニコラス・スラー様」
凄い見た目ですね。麦わら帽子にアロハシャツ。
仮面を被っていって金髪のショートヘヤーがチラリと覗く
私と同じぐらいの年の子。
この年で市長は相当のやり手ですね。
そして私より胸が大きい!!!!妖怪!!!!
「お世辞は結構です。こちらは本作戦の要のアオイです」
「まだ何するか説明されてへんのやけど、まあよろしゅう」
「早速ですけど宿に案内してもらえますか?
失礼なこと言いますけど仮面をつけている不審者と
「ほんま失礼やな」引き気味
「いや失礼しました。アトランティアは結構日差しが強く、
海風によるサビ防止策としてコンクリートの壁に覆われていて
無風に近く暑いんです。
お2人の分も日焼け止めをご用意しましたので」
「ありがたくいただきましょう。
後の避難民は市長だけでしょうか?」
「その通りです。
住人たちは伯爵財閥の企画した温泉ツアーに参加しています。
本当はあたしも行きたかったんですよ!!!!!
っと失礼、本音が少し出てしまいました」
「後日市長宛にもチケット送りますので。
大の大人が嫉妬でワガママ言わないでくださいよ、まったく」
「本当に ” 甘いですねぇ ” いえ、感謝します」
仮面をつけているからか表情は読めない、
けれどこの人私の事をチョロいと思ってそうですね。
☆☆☆
ー 宿 夜 ー
アオイと宴会会場で思いっきり枕投げを楽しんだ後、
露天風呂も実質貸し切り。
温泉ツアーでタコ詰めの市民よりも楽しんでいますよ?きひひひひ
「なぁ、スス大丈夫?顔面に当てちゃったけど痛くない?」
「今度やる時はハンデを要求します。私運動苦手ですので」どやぁ
「体力テスト腹筋6回やからな」遠い目
必死にやったんですよ!!!インドア派には苦痛なんです!!!
例の仮面市長が料理を振舞ってくれました。
といってもあらかじめ板前さんが加工したもの出しただけですが、
それでも産地直送の魚達は絶品でしたよ!!!ええ!!!
☆☆☆
ー 百合の鳥島攻略戦 ー
「ご用意しました!ボートです!!」
「なぁスス。もしかしてコレ手で漕ぐんか?」
「いえ?下手なエンジンよりも強力な物を積んであります。私の母です」
「ニコラスちゃんと旅行と聞いてはせ参じた!!!」
「競泳水着ってことは・・・・まさか!!!」
「ええ ” 引っ張って ”貰うんですよ。きひひひひ」
私の元の人格であるニコラス・スラーと母が共に見たサッカー番組。
数々の超次元級の技に憧れたニコラスは母に本物が見たいと懇願。
厳しいトレーニングの果て、 ” 炎 ” こそ
出せなかったものの、空中へ飛び上がり回転する程度の脚力を得た。
そしてニンジャアニメ、海賊アニメとヒーローアニメ。
娘のご機嫌取りの為に数々の必殺技を会得したのが母である。
ー 数分後 ー
「予定ポイントに着きましたね。ではこちらを」
私は魔法で巨大な銃を出現させます。
「長距離狙撃砲 賢者キャノンです!!!!」
「名前ダサッ!!!!!!」
「こほん、魔力を無限にため込むとされる賢者の石を使い
攻撃するのがこの武器の特徴です。
10年に1人の魔力量を持つアオイにエネルギーをチャージしてもらい
私が撃ち込みます」
「じゃあダイナミックケーキ入刀やな」
「いやワザと外しますよ!!!
私達は百合の鳥島を破壊しに来たのではないんですから!!!」
「冗談や・・・・半分くらい」
「もし当てたら国際問題では済みませんから!!!!」
「大丈夫や、ススと
「いいですね・・・・ってよくありません!!!!!」
絶対からかってますよねぇ!!!!!
ー 数分後 ー
「スス、魔力ってこれぐらい充填すればええの?」
「上出来です!後は私が!!!」
突然母が話しかけてきました。
「パー〇ェロ!パージ〇ロ!!!」
「すっごい気が散るんですけど!!!!!
当てたらいけないって言ってるでしょうに」
アオイ・ヘルメス 「〇ージェロ!!!パージェ〇!!!!」
「アオイはこのネタ知らない年齢でしょうに!!!!!!」
あっちで嫁姑戦争でもしててくださいよ!!!!
ー 数分後 ー
「ぜぇぜぇ、賢者キャノン照射成功。
数分後に衝撃波が襲ってくるので退避です」
「凄かったなぁ、ダサいキャノン。海が割れるかと思ったわぁ~」
「凄いのはアオイの魔力量ですよ」ドン引き
アオイがその気になれば王都なんて3日も持ちませんよ。
「でもその後どうするんや?」
「先生とニャラケルで別方向から強襲を仕掛けます。
私達は賢者キャノンで目立つ攻撃をして敵を引きつける陽動役です」
凄まじい勢いで現場から離脱する母の水泳能力。
なんで私には引き継がれなかったんでしょうか?
ー さらに数分後 ー
「あー、こちらニャラケル。百合の鳥島制圧完了。
繰り返す、百合の鳥島制圧完了。にゃひひひひ」
ニャラケルからの通信。意外と早かったですね。
「敵兵がいなかったからな。罠でもあるかと思ったらあっさりだ。
あはははは」
先生からの連絡ですね。ふう、これでひと息付けます。
「お疲れ様でした、先生、ニャラケルあとは管理室にある印鑑をっっ!!」
「どうした!!スス君!!!!」
「痛い痛い痛い!!!!頭が割れる!!!!」
「緊急事態か!!!アオイ君、状況はどうなっている!!!!」
先生が必死に問いかけていますがもう私はダメみたいです。
い・しき・・・・・・が・・・・・・・・・・・・
☆☆☆
「全員に告げる。百合の鳥島攻略戦は中止。繰り返す
百合の鳥島攻略戦は中止だ」
「何言ってるんやスス!!違う!アンタ誰や!!!」
「?あたしはニコラス・スラー。
聞こえなかったか?作戦は中止。さあ帰りましょう?
” 学園へ ”」
「ススの様子がおかしい!!!
いったいどうしたんや!!!」
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