模範生とは?


 「しかしゼロからの人体錬成がここまで大変だなんて、流石に諦めです。

 アオイ、ニャラケル、何か策ありませんか?」



 アオイとニャラケルは我が耳を疑った。

 独りで何とかするタイプのススが他人を頼ったからだ。



 「ス、すすすすす、ススが、わ、ワタクシ達を頼った?」


 「本気で病院に行くことを勧めます。いえ、本音のほうで」


 「どんだけ信用されてないんですか!!!」


 「いえ、いつも独りで解決していますから、

 そのワタクシたちを頼ってくれて嬉しいような、驚きが勝るような」


 「アオイママ、本日の夕飯は赤飯を要求します」




 購買でレンチンする赤飯を買いに行ったお話はさておき。



 「55パーセントの再現度ですか。

 ススの先生ってお亡くなりになられたんですよね?

 お墓とかに遺伝子残ってませんか?」


 「忘れてた!!!!

 腐ってもこの学園の生徒!!!倫理観がミジンコ!!!」


 「アオイママは生徒手帳の規約は守る模範生です。

 しかし”墓荒らしをしてはならない”とは書いていません。

 にゃひひひひひ」


 「もう尾張おわりねこの学園!!!

 墓荒らしも何も最後に出会ったのはアオイのパパ活疑惑の・・・・

 そ、そうです!!!!!!きひひひひひひひ」にちゃあ


 「うわ、気持ち悪っ!!!いえ笑顔が素敵です。

 スス                  パパ」にちゃあ


 「そう!墓荒らしがダメなら”三途の川”から本人を

 持ってくればいいんです!」


 「なるほど!その手がありましたか!

 といってもアクセス手段がありません。

 机上の空論です、にゃひひひひ」


 「それなら頭適当に打ち付けて錯乱すればすぐに逝けますから」


 「つまり成功すればアオイママが死んでも膝枕の為に蘇生ができると?」


 「それだけではありません!腕枕も耳かきもです」


 「きひひひひひひひひひ」 「にゃひひひひひひひ」

 「きぃーひっひっひ」   「にゃぁーひっひっひっひ」


 「今日はセミがよく鳴いてますわね」ドン引き



 親友たちをセミ扱いするアオイもまたタガの外れた錬金術師といえよう。

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