四葉色のお姫様

まさか。こんなことになるとは、、

男子からは告白されることはよくあるけど

女子からは初めてかもなぁ。

でも、あの目、、本気で私のことが好きで気持ちを伝えてくれて、、、、、ほんとに悪いな。

分かりたくないのに分かってしまうあの子の気持ちが

なんて考えても時間の無駄か。

カラオケ断ったからどこも行く場所無いな。

とりあえず家に帰ってから考えよ。

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「ただいまぁ」

カチッ

電気をつけても誰もいない。

私ひとりの家。

「よいしょ、、じゃあ行きますか」

親なんていない。そもそも親がどんな人だったか忘れてしまった。

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カバンからスマホを取り出す。

とある人とメッセージのやり取りをする。

‹こんばんは、これからなら会えますよ›

‹ほんとかい?嬉しいよ☺›

‹私も嬉しいです!›

そして会う。それが私の日課

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近所の駅、、、パパ?と会う

「始めまして、四羽よつはねラトラです。」

「こんばは、ゆうりと言います。」

「ゆうりさん、ですね。わかりました」

と簡単な接客をする。

きっと、みんなが言う。男といるって

私は、ちょっとだけ特殊な営業を提供している。

お客さまも制服で学生気分でデートをする

叶わなかった青春を売る。それが私がしている営業。

だからか私が多くの男子学生と関係を持っていると思われている。

一緒にカフェでご飯を食べて、ゲーセンで遊んで、お揃いのものを買ったり

よくある学生のデートをして過ごす。

ただそれだけ。体の関係は一切ない。

お客さまは青春を求め、私は金を求める関係。

今日も、終わりが近づく。

「今日はありがとうございました。」

と、私は背を向けて家に帰ろうとしたとき

「ねぇ」

ガシッと腕を捕まれ

「これで終わりなの、、」

「え、そうですけど、、」

不満げにその人は

「ちょっと来て」

強引に腕を引っ張り

知らない道へと進む。

「卒業することも青春だよね?だから君にお願いしたいんだ。言ってる意味わかるよね?」

嫌な予感がした

私がいちばんしたくないこと

「え、えーと」

「わからないの?まぁ、それもいいか」

自分一人の力じゃビクともしない

誰も来ないような道で助けを求める。

おねがい、、だれかたすけて

届くはずがない

声に出せない

私はこのまま

「ついたよ。ここで夜を過ごそうね。大丈夫!その分お金渡すからさ。」

「い」

「なんか言った?」

「い、、いや!!いやぁぁ!」

「は、おま、、」

出る限りの声を発した。

これで助かるとは限らないけど、、

遠くから人影が見える。

もしかして

「え、なんで、ここに」

知ってる顔、、知ってる女の子

「よ、、四葉さま?」

、、、、

「あ?お前誰だ」

「え、えと、その」

私の腕が開放される。

「邪魔するな。俺とこの子はこれから」

逃げるなら、、今だ

ごめんね。

ガッ

「ゆうりさん、この子、、私の恋人だから!」

「え?え?四葉さま?!」

少しだけ付き合ってと合図をする

多分伝わってない。

「は?」

「恋人の邪魔するなんてだめだよ?他の生徒が知ったら嫌われるかもよ?」

「なに、言って」

「じゃあね!!!」

行くよと彼女の手を引っ張り走る。

「え?何が起きて」

「説明は後日するから!」

今は、逃げること以外考えたらだめだ。

しばらく走って

「ここまで来たら、大丈夫だよね、、?」

「ごめんね。なんか変なことに巻き込んじゃって」

「え、、、四葉様が私を」

「お、、おーい」

「あ、ごめんなさい!!」

「謝るのはこっちだよ。」

ほんとに、ごめん

君からの告白を断って

自分を守るために恋人なんて言って

変なことに巻き込んじゃって

「今日はありがとね。」

と、手を振り

じゃあねと別れを告げる。

「さようなら!」

私も帰らないと

「あれ、、足が動かない」

なんで、、ねぇ!動いて!!

こわい、、こわい、、こわい、、

ひとりがこわい、、

「え、四葉さま?」

「ほんとにごめん、1個だけお願いしていい?」

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