惹かれ合う百合の園

届かない百合の花だとしても

クラスにはカーストというものが存在する。

美人やイケメンが主導権を握り、私のような地味な存在には人権がない。クラスでの投票とかでは基本的にカースト上位の意見が優先となり、誰も刃向かうことは不可能である。こんな日々嫌に決まってる。正直学校に行くことが嫌になるほどに、、でも、行かないといけない。行かないとあの人に会えないから。

「おっはよー!」

元気に挨拶をする女性。カースト上位の上位

〔四葉らと〕クラスの全てを握ったと言っても過言ではない存在。私は、この人に会うために学校に来ている。なぜかって、、復讐でも見返りでもないもっと単純な理由、、、恋愛感情、、好意。普通ならありえない、ある意味いじめられてる相手に好意を向けるなんて。でも、私は彼女に心を奪われた。

私には無い性格と強気が彼女にはある。

叶わない恋だということは承知だ。

「えー?かわいそー!私なら〇〇君のこと大切にできるけどぉ?どう?、、ってさっきから目線可笑しくない?まぁ、それも含めて私なら君のこと受けいられるよ?」

彼女は、クラスの男子を誑かすのが趣味らしく。

確かに誑かすには、彼女は丁度いい体型をしている。

他クラスからは夜、彼女が男と出歩いていたとかいう噂が広まるほどに男性からの人気が大きい。

なおさら、この恋は叶わない。

私は、この恋を終わらせたかった。叶わないだから思い続けるほど無駄なんだから。

そうだ、今日の放課後、気持ちを伝えよう。

結果は分かってるけど、どうせなら

彼女からきっぱりと「嫌い」だと言ってほしい。そしたら、きっとこの恋は終わるはずだから。

ー放課後ー

「あ、あの!」

「なに?」

「話したいことがあって、、その、、時間いいですか、?」

教室の奥から聞こえる女子の声

「カースト下位ちゃんが、らとさんの時間を奪うとか、、何考えてんの。」

「らとさんは、お前みたいな子。興味ねえんだよ!」

「さぁ、らとさん。約束していたカラオケに行きましょう!」

私への悪口が飛び交うなか

彼女は、いつものように微笑み

「あー、ごめんねぇ。」

「ですよね?らとさん!ほら、、」

「カラオケ、3人で行ってきなよ。」

「「「え?」」」

「私は、この子の話に興味があるの。だからごめんね。ほら、行こ?」

と彼女は私の腕を掴み。教室から去る。

え?、、え?、自らの意志で彼女が、カースト下位の生徒に聞き耳を持つことは、ほぼない。のに、なんで

「ここなら、多分誰も来ないはずだよ。」

学校の校庭裏に、彼女と私だけがいる。

「話って何?」

「それは、、その、、えと」

せっかく、言える機会なのに。思ったように言葉が出てこない。言ったら、全てが終わるのに。

深呼吸をする。そして、、

「あ、あなたのことが、、好きですっ!!」

「え?」

「あ、あ、あ、」

これで、きっと終わるんだ。この恋を

「…………………………」

彼女は、冷めたような眼差しで私を見つめる。

「あー、えと。ごめんね。」

わかってた。これで良かったんだ。

彼女の答えを知れ

「女の子から告白されるなんてなかったからさ。どう反応すればいいのか分からなくて。

いや、、やっぱりごめん。私は、同性を好きなんて思えない。君に言うべきではないだろうけど、同性で好意を与えあってなにが幸せなのかさっぱりだよ。」

「なんか、ごめんなさい。大丈夫です。最初から分かってましたから。」

「最初から?」

「はい、貴方はきっと、異性が好きで色んな男性と関係を持ち。愛された。カースト上位の存在。そんな人が私みたいな女に好意を向けてくれるなんて最初から分かってましたから。」

「……………………へぇー、そうゆうことになってるんだ。その噂。」

「え?」

「あ、な、なんでもないよ!とりあえず、ほんとうにごめんね。いつまでも、私といたくないよね。、、じゃあね。」

彼女は、私の前から立ち去った。

これで、きっと全てが終わったんだ。

終わったはずなのに、、なんでだろ

心がモヤモヤするのは。

分からないや。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る