閑話プライド先輩の胸中は穏やかとは程遠い
私真城琴音には好きな人がいる。一つ下の鬼島怪斗君だ。彼とは私が独自に(脅して)作った奉仕部で知り合い部員でもある。目的としては全校生徒が奉仕に興味を持って欲しいと言う願いを込めて作ったのだが一向にメンバーが増えない中今年彼が入った。最初はとても怖いかと思っていたが話すと意外と面白いしフレンドリーで不器用で。そんな彼が奉仕活動をしている姿にいつの間にか惚れていた。そして私はどうやら好きな人には素直に喋れないらしい。
「おはよう。今日も相変わらず不気味でかっこいいわね」
違うでしょこのバカ!今日もとってもかっこいいわねだけでいいでしょうに!何よ不気味って!まぁそこも彼の魅力の一つだけど。
「えぇ。今日は活動が無い日だけど私が仕事を見つけて来たわよ。頭を垂れて感謝して私に同行するのを許すわ」
何言ってるの私!?私が彼と仕事したくて生徒会の仕事ほっぽって仕事を探して来たんじゃない!むしろ私が彼に頭を下げなきゃいけない立場でしょ!?
昼休み
彼は今頃何しているのかしら...友達がいなそうだし私が相手になってあげなきゃ!
「ぼっちな貴方に施しをあげようというのにその態度は何?犬の方がまだ賢いわよ?」
バカー???終わったわ...彼の好感度下がったに違いないわ...
話をしていたら彼がもう私と口を聞いてくれないと言ってきた。終わったのね私の初恋...
と思ったら急に好きと言ってきた!!ついに私は両思い!?!?
「えぇ好きですよ。先輩は頼りになる良い先輩です!」
...私女の子扱いされてないのかしら。
少ししょぼんとしながら教室を後にし放課後になる。その間も何とか心の平穏を保とうと彼の事を考える。
放課後
彼が珍しく遅刻をした。最初は何があったのかと心配したが女性絡みだと言う。ハ?
ジョセイガラミ??
「ハ?アナタナニヲシテイタノ?」
問い詰めると駒ちゃん先生だと言う。良かったわ。あの人は人畜無害で誰にでも愛されてるからこの子を好きになる事はないわね。なるようなら...色々使わなきゃ!!
「よくぞ聞いてくれたわ。私が持ってきた仕事は...学校の草むしりよ!!」
そう私が色々な人に聞いて回ったら草が凄いらしいのでそれをお願いされた。彼は何か言いたげな目で立ってたので促したら何でも無いと言って作業を開始してしまった。
作業してわかったことが一つ。終わってるじゃない!!
は?なんなの?どこの誰なの?私と彼の逢瀬を邪魔する不届き者は誰?呪い殺してやるわ!部活ぐらいでしか彼と会う機会が無いと言うのに...
「掃除したのは誰?血祭りに上げてやるわ!!」
犯人を探しに行こうとしたら羽交い締めにされた...やっぱり男の子ね。胸板が厚くて最高だわ!
恍惚としてたら凄いいい笑顔が返ってきた。...それは反則だわ。
赤くなった顔を見られたくなくて直ぐに彼を帰らした。見られていないといいな。
明日も彼と挨拶を交わせるといいな。
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