第48話 グラキエース

出発をするのは3日後に決まった。


ルーナだったりあとは部隊のほうが物資のこととかはやってくれるから俺はグラキエースについての勉強中。


リーシャ様の知識はだいぶ幅広い範囲だけどさすがに一つ一つの都市の詳細なんかはわからない。ということで勉強してたんだけどここ何にもなさすぎる。見てる限りだと大きな倉庫とその守備隊の寮。それ以外には何にもない。


カルタイに聞いても何にもないって言ってたし本当の事なんだとは思うんだけどこんな何にもないところにあの3人は本当に何しに行ったんだろう。少なくとも俺は行きたいとは思わないけど。


「ルーナ、準備はできた?」


「うん。とりあえず全部準備できたよ」


3日間の勉強時間が合ったけど結局何が目的であっちに行ってるのかは確定できなかった。戦争の騎士インぺリウムパラディンの言うとおりに迎撃に言っているような気もするけど、それならほかの天使に話していいと思うんだけどな。


「それじゃ、カルタイ行ってくるよ」


「お気をつけて」


ちなみに行き方はみんなで進軍することになっている。もちろんエクレーシアとかは行ったことがあるからスキルで転移できるけどあのスキルは少人数専用らしい。数百人単位の部隊だとさすがにできないとのこと。


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1週間ほどかけて、グラキエースにつくとそこは一面の銀世界。少し前から雪は積もっていたけどここまでじゃなかったし、それにめちゃくちゃ平坦。事前に地図を見ていたから知ってはいたけど実際に見てみるとすごい。


完全に遭難したって感じなんだよね。まったく人工物が見えなくて雪原の中に取り残されたって感じ。


「ここから少し距離が離れていますので倉庫まで案内させていただきます」


「エクレーシア、ありがと。それと寒くないの?」


エクレーシアはいつも通りの服装でここにきている。エクレーシア以外の天使は全員防寒具を着ているっていうのになんでそれで大丈夫なんだろう。


「私は周りの環境に適応するようにできているので大丈夫です」


…正直言ってめちゃくちゃうらやましい。だって、めちゃくちゃ便利じゃん。仕事柄いろんなところに飛ぶことになると思うからそうなると気温が邪魔なのは間違いない。


そんなことを話しながら歩いていると人工物が見えてきた。なんかいきなり大きな箱が出てきたように見えてめちゃくちゃ違和感がある。


「あれが倉庫です」


ただ近づけば近づくほどなんか気持ちの悪いような感じがする。


「…守備隊の姿が見えませんね。いつもならここらに来ると迎えてくれるはずなんですけど」


…なんか嫌な予感がする。

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