第39話 性格が変わる
張り付いてくるカルタイを引きはがして席に座らせる。もちろんファーナーの隣だ。こうすれば抱き着こうとしたらファーナーが引き留めるはず。
…最悪多少の武力行使をしていいことにしようかな。さすがにあれを続けられたらめんどくさすぎてだるい。
「それでカミル様、今回はどのようなことで私を呼んだのですか?」
なんか席に座らせたらいきなりまじめになった。さすがに変わりすぎじゃない?どっちかっていうと俺がついいけないんだけど。
「ちょっと聞いてほしいことがあるんだよ。カルタイは御業の玉って知ってる?」
「御業の玉ですか?聞いたことはありますよ。都市伝説的なものとして流れていたはずです」
マジ?これって相当厳重に守られている情報なはずなんだけどな?そもそも知ってる天使自体がほとんどいないはず。
「しかし、その噂を流した奴はいなくなったはずです」
…これは消されたな。天使って聞くと神聖なことしかやらなそうだけどこういう暗いことももちろんやる。というかそういうのがないと社会として維持できない。
「その御業の玉についての能力は知ってる?」
「いえ、とても重要なものという以外は知りません」
「まぁ、そりゃそうだよね。逆に知ってたら問題だし」
どうやら存在だけ漏れたみたい。それならまだ、大丈夫なのかな?セキュリティーが心配になるけど今はそんなことよりも大事なことがある。
「その御業の玉っていうのは天使を作り出すものなんだよ」
「天使を作り出すっていうのはどういうことなんですか?」
こういうところでは位の高い天使が代表して会話をするのが普通。今回だとカルタイとルーナが当てはまるけどルーナは俺に甘えてくるだけなので今回はカルタイが代表している。
「一般的に言われてるのは天使はリーシャ様が作り出すって感じだと思うんだけど、これは半分間違ってるんだよね。実際のところリーシャ様の力だけだとさすがにリーシャ様でも作り出せないらしい」
「…そこで使うのが御業の玉っていうことですか?」
「うん。そういうこと。まぁ、御業の玉を使えるのはリーシャ様しかいないから実質的にリーシャ様が作ってるってことになるんだけどね」
「なるほど。それでその御業の玉がどうしたのですか?」
「御業の玉が盗まれた。そして第1階の天使の中に裏切り者がいる可能性が高い」
「…それはまずいですね」
「そうなんだよ。マジでまずい。だから今回俺たちで探ってるってこと」
「なるほど…」
情報を聞くとカルタイは何かを考え始めた。どうやらカルタイは作戦参謀という立場にいたらしいから職業柄的にこういうのは考えちゃうんだろう。
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