第26話 セラフの経歴

そして町案内の2日目。町案内とは言っても実際にはカミルと2人で町を散歩している感覚に近い。


だってカミル、何にも説明してくれないしそもそも人がいないんじゃなんか町案内も盛り上がらない。


「それじゃ昨日の続きから始めるか」


「了解」


まぁ、この町は一日で回りきれるから厳密に昨日のところからじゃなくて俺の家の前から。


「そういえばセラフは家に帰ったの久しぶりじゃないか?」


「そうだね。記憶がないからわかんないけど少なくとも3か月ぐらいは帰ってなかったと思うけど」


「だよな。確かセラフが記憶を失う前は2か月ぐらいどっかに派遣されてたはずだしな」


「そうなの?」


「リーシャ様から、前のこととかも聞いてなかったんだったか?」


「うん」


「それなら俺の知ってること話しておくか」


これはめっちゃありがたい。なんでセラフが記憶を失ったのかは単純に興味があるし、結構強そうなセラフが記憶を失うような重傷を負うなんてことがあるならそれって結構大変なことだと思う。


「とはいっても俺が知ってることはあんまりないぞ。俺が生まれたころにはもうセラフは第1階にいたからな」


「そうなの!?」


別に自分のことが若いって思ってるわけじゃないけど、結構見た目は若く見えると思うし体も全然重くないんだけどな?それにクーラが一番の古株って言ってなかった?


「あぁ、多分だがセラフ以外の第1階が生まれたころからセラフは第1階なんじゃないか?クーラもお前のことを尊敬してるようだし」


「でも自己紹介の時クーラが一番の古株だって言ってなかった?」


「それはお前を除いてっていうのがみんなの前提知識としてあるからそういっただけだな」


「そういうこと?」


「あぁ、そうだな。それで続きを話すとセラフの今までの経歴というか戦果はすごいものだぞ。詳しく話すと長くなるから話さないが歴史上はじめてとかいうことをいろいろやってるはずだ」


「…俺ってそんなにすごい人なの?」


「あぁ、ほとんどの天使のあこがれといったような感じだな。【歴史の創造者ゲネシス】なんて呼ばれたりもする」


「なるほど…そんな俺が記憶喪失になるなんてことがあるのかな?」


「それが不思議なんだよ。お前のことをそんな状態にすることができるなんて第1階レベルの力を持ったものが何人もいるか、罠にはめるでもしないとできないはずだ」


とすると、これは結構厄介なことに巻き込まれてこうなったのかもしれない。こう天使になってしまった以上そういうのにも対応しないといけないのかな?マジでやりたくないんだけど。

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