第24話 町紹介…のはずが
ということで仕事もないのでカミルと街を回ることにした。俺の見た感じの印象だと生活感を感じなかったけどどうやら普通に人も住んでるし、店とかもあるらしい。
「どっか見ときたいところとかはあるか?」
「いや、そもそもこの街のこといまいちわかってないからいろんなところに行きたいかな」
「知識として知ってるけど実際に見ておきたいって感じか?」
「そうそう。そんな感じ」
エクレーシアの話だとこの街は円形ってことしかわかんなかったけど、そんなに大きくないらしい。
一日で回りきれる程度の大きさしかないということだったけど今日はもう遅いから今日と明日に分けて町をめぐることにする。
「それじゃ、右回りに行くか」
「わかった」
「といってもそんなに紹介するところなんてあんまりないんだけどな」
「そうなの?」
「あぁ、エクレーシアも言ってたと思うが重要な建物とかは中心に集まってるからな。そこはリーシャ様のところにいたときに詳しくなってるだろ」
「確かにリーシャ様のところにいたとき、そこらへんでいろいろやったかも。というかカミルってこの町にいつもいるの?」
「ん?どうしてそう思ったんだ?」
「だって前、久しぶりに来たって言ってたけど」
「あぁー、そんなことも言ってたな。実際この町にいることはあんまりないな。家はここにあるんだが軍の関係とかであんまり家にいることはないからな。結構いろんなところを転々としてる感じだ」
「なるほど。敵がいなくても軍は大変なんだね」
「それなんだが、実は敵はいるぞ」
「え?でもリーシャ様も今は敵がいないって言ってたけど」
「もちろん、完全に敵対してるってわけじゃないぞ。ただちょっといざこざがあったり、あとは小規模な反乱があったりって感じだな」
「軍も大変なんだね」
「お前だって軍に関係するんだから他人事じゃないぞ」
「えーー。俺はのんびりと過ごしたいんだけど」
「それがしたいんなら天使をやめるか、反乱を起こすかだな」
「俺は天使としてここでほどほどの仕事をこなしてのんびりしたいんだけど」
「それは無理だな」
そういうカミルは少し残念そうな顔をしているように見えた。
こんな感じで雑談をしながら歩いて行ってるけど、この町に関する説明が一切出てこない。
紹介するところがあんまりないっていうのは本当みたい。てかこれ本当に天使とかすんでるのかな?まったく見かけないんだけど。逆に見かけなさ過ぎてゴーストタウンみたいで不気味。
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