第18話 最高幹部の会議

セラフがリーシャのところにとどまることが決まったころカミルとエクレーシアはほかの天使たちと会議をしていた。


会議の内容は支配の騎士インぺリウムパラディンが言っていた封印が解かれたということだ。


「カミル、それは本当なのか?」


そうカミルに確認をするのは第1階の1人フロンス。


「あぁ、支配の騎士インぺリウムパラディンはそうやって言っていた。正確に言うなら封印が解かれてほかの勢力に取り込まれたといっていたな」


「でっ…でも今は明確にリーシャ様と敵対している勢力はいないということになっていませんでしたか?」


「今は確かにいないが先が見えなくなってきている。もしかしたらありえるぞ」


そう言っているのは第1階のレースとフトゥームの姉妹。


「そうですね。それなら私とリッテラ、カミルはここの防御についてもう一回考えましょう。フトゥームとレースは万が一に備えて作戦をフロンスはリーシャ様の護衛をお願いします」


そうやって会議をまとめようとしているのは第1階の1人クーラ。


「リーシャ様の護衛はセラフが入るってことになるんじゃいのか?」


「そうでしたね。それなら怪しい動きをしているところがないか調査をお願いします」


「了解だ。それにしてもセラフのやつどうしたんだ?前はもっとリーシャ様に対する憧れがあったように感じるんだが」


「そのことなんだが実はセラフは記憶を失ったららしい」


「マジか!」


声に出して驚いているのはフロンスだけだがほかの第1階の天使も驚いているようなそぶりを見せる。いつもは感情を感じ取らせないリッテラまでもが驚いていることからも相当な衝撃を受けていることがわかる。


「それって大丈夫なのか?セラフっていえば最強の天使だぞ。あいつがあてにならなくなったら戦力は落ちるぞ」


「それは大丈夫だ。常識なんかは欠如してるがスキルは問題なく使えた。考えとかは変わるかもしれないが戦力としては申し分ないだろう」


「今日のこともそういうことだったんですね」


「多分リーシャ様の護衛をしながら常識を学ぶことになるんじゃないか?」


「それならリーシャ様は安心できる。近衛騎士団の連中の調査もできるんじゃないか?」


「そうですね。その調査もフトゥームとレースに任せていいですか?」


「わかった。任せてくれ」


「わっ…私も大丈夫です」


「ありがとう。もしかしたら騎士団全体が反乱を起こすかもしれませんから、気を付けて調査をしてください」


ということで会議は終了した。


これによってセラフの知らないところで騎士団と天使の溝が深まることになる。


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