第17話 期待を裏切る
リーシャがそう言ったことで俺は常識を学ぶためにしばらくの間リーシャの警護という名目でリーシャに教えられることになった。
自分としてはカミルとかエクレーシアに教わりたかったんだけどリーシャが
「2人が知らないような機密もあなたは知っておかなければなりません」
とか言ってきたので仕方なくここにとどまることになった。
「それでは始めましょう」
そう言ってリーシャが呪文を唱え始める。
何をしているんだろう。教えるって言ってたからなんかの魔法とかを実演してくれるってことかな。
「スキル『天からの贈り物』」
リーシャがスキルを唱えると俺の頭の中に膨大な量の知識が入り込んできた。
教えるって言ってたけどこういうことなのかよ!そういうことなら先に言ってほしかった。なんかいきなり頭に入り込んでくるってめちゃくちゃ気持ち悪いし頭が痛い。
そんな感じで20分ぐらい苦しんでいるといきなり情報が入ってくるのが止まった。
どうやら伝えるべき知識を伝え終わったようだ。
「終わりましたか。気分はどうですか」
「もちろん、最悪です」
「あれ?おかしいですね。そうならないように改善したはずなんですけど」
そう言ってリーシャが何かを考え始める。
処理がどうとかパイプがどうとか言っているから多分スキルの改善について考えているんだと思うけど人が前にいるときにそういうことやらないでほしい。
そもそもスキルに改善を加えるなんてできるのかな。流れ込んできた知識だとできないことになっているけど。
「まぁ、スキルの改善は後でやりましょう。あとは実際にここで働いて経験を付けるだけです」
「わかりました。スキルの改善ってできるんですか?」
「スキルの改善は私だけができます。流れ込んできた中に入っていませんでした?」
「できないってことは書いてありましたけど、リーシャ様のことは何もありませんでした」
「そうですか、そこも改善しなければなりませんね」
てか今思ったけど自然にリーシャ”様”って言えるようになっている。これも入り込んできた知識によるものだと思うけどなんか思想教育みたいでなんかこわい。俺が絶対にリーシャに反抗できないようになってたりしないよね?
「そういえば仕事って俺はなにをしたらいいんですか?」
「私の補佐です」
「は?」
いや、ここで働くって言ってたよね?それは神殿の職員として働くってことじゃないの?俺リーシャの補佐なんて嫌なんだけど。
「なんでそんなにいやそうな顔をするんですか」
「まさかリーシャ様の補佐をすると思ってなかっただけですよ」
「これはポーカーフェイスとうそのつき方も教えなければなりませんね」
そう言ってリーシャがため息をつく。
ため息をつきたいのは俺なんだけど!?
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