第13話 狂信者の実力

どうやらカミルが使っているこのスキルは自分たちの周りに結界を張って外からの干渉ができなくなるものっぽい。細かいところで違うってことはあっても大体はあってると思う。


てかカミルって見た目だとめっちゃ脳筋って感じなのにスキルは守る感じなんだ。ちょっと意外かも。


「これまた激しく殺りあってんな」


「そうですね。あのファーナー相手にここまで持ちこたえるとはさすが4騎士の一人といった感じでしょうか」


「…改めてファーナーってやばいな」


「…そうですね。レグルス最狂の名は伊達じゃないということです」


なんか隣で2人が話してるけどそんなことよりもあの2人がすごい。カミルのスキルで衝撃とかはここまで来ないけど聞こえるし見える。


…異次元すぎる。俺も地球じゃちょっと武術をかじってたけどあれはそういう概念から外れてる。まずそもそもの身体能力が違いすぎる。俺が見えないぐらいの速さでずっと戦ってるし見て分かるぐらい一撃の威力も強い。


【ドカンッ!】


ほらまた支配の騎士インぺリウムパラディンの攻撃が地面にあたってとんでもない音出してる。しかも当たったところの地面が蜘蛛の巣状にひびが入ってる。あんなのアニメとかでしか見たことないんだけど。


「おい、セラフそろそろ終わりそうだぞ」


「え?」


カミルがそうやって宣言するとファーナーが消えた。


いや、もともと見えてなかったんだけど気配とかはあったはずなのに今度はそういうのも感じられなくなった。まるでそこに誰もいないみたい。


この速さにはさすがに支配の騎士インぺリウムパラディンもついてこれないみたい。周りをキョロキョロしてる。


と思ってたら支配の騎士インぺリウムパラディンの首がずれていく。


…何があった?ちょっとずつあいつの首がずれていってることはわかるんだけど何でそうなったかがまったくわかんない。


そして支配の騎士インぺリウムパラディンの首が地面に落ちた。


「セラフ様、終わりました」


「…ありがと」


「それじゃここでの任務も終わったことだし帰るか!」


「そうですね。報告もしなければなりませんし」


「ちょ、ちょっと待って」


「どうしたんだ?」


「天界への帰り方ならこれから教えますよ?」


「そうじゃなくて、何があったの?」


「…ファーナーが支配の騎士インぺリウムパラディンの首を切り落とした。ただそれだけだろ?」


「それはわかってんだけど、あれが見えてたの?」


「あぁ、俺には見えてるぞ」


「私も見えておりました」


「…俺には見えなかったんだけど」


…一応俺って最強って呼ばれてるんじゃなかったっけ?俺が見えてないのにカミルだけじゃなくてエクレーシアまで見えてんの?もしかして俺がこっちに転生してセラフに弱体化でも実装された?


「あーー、それは大丈夫だ。お前が強いのは素じゃない」


「そうですね。セラフ様はスキルが強力だと聞いております。逆に使っていないときは一般的な天使並みということもですね」


「なるほど?つまり俺は身体能力とかじゃなくてスキルとかが強いってこと?」


「いや…ちょっと違うが大雑把に言うとそういうことになるな」


そういうタイプだったのか、俺って。まぁ不満とかはないけどせっかくの異世界なんだからとんでもない身体能力とか体験してみたかったな。


「それでは帰りましょうか。ファーナー様はどうされます?」


「セラフ様はお二人と予定があるみたいなので私はここで」


「そうですか。それではカミル様、セラフ様行きましょうか」

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