第12話 狂信者

支配の騎士インぺリウムパラディンがスキルを放つと彼の体は黄金のオーラに包まれていった。


「セラフ様、どうされましたか?」


彼は俺がスキルで呼び出した天使。まだ名前も知らないしどんな能力なのかも知らないけどたぶんセラフの配下だとは思う。


「えーーと、あいつをやってもらいたくて」


「あいつですか?」


そういいながら彼は怪訝な顔をしている。


「あいつは確か騎士団の者なはずですけど」


「セラフ様、ここは私がやりましょう」


そうやってエクレーシアが彼に説明をしてくれてる。


まあ俺はどっちかというと説明してほしい側だし適任だと思う。てか騎士団って何?そんな話初耳なんですけど!?


「それにしてもよりによってあいつを呼び出すとはな」


「あいつ?」


「あぁ、お前が呼び出した天使のことだよ。あいつはファーナーって言ってな簡単に言うとお前の狂信者なんだよ」


「は?」


「確かにセラフのことを慕ってる天使は多いけど、あいつはその中でも群を抜いてる」


「俺ってそんなにヤバいこととかしてたの?」


「いや、そういうわけじゃないんだけどな、天使最強だからお前にあこがれている若い天使もいっぱいいるわけだ」


「そうなんだ…えっ?最強?」


「気づいてなかったのか?天使の最強はお前って言われてるぞ」


「なんで?そんな攻撃的なスキル持ってないよ?」


「でも普通に強力だからな。ほかの天使を呼び出せるってのも強いけど、特に…」


カミルと話していたら始まるようだ。ファーナーのところからエクレーシアがこっちに向かってくる。


「エクレーシアありがとう」


「いえいえ、こういうのは私の得意分野ですから」


「それでは参る」


おっと、支配の騎士インぺリウムパラディンのほうから仕掛けたみたい。彼は黄金に輝くオーラを纏いながらファーナーのほうに突っ込んでいく。


てか早!見えないんだけど。


「騎士団もこの程度なのか」


ファーナーは迎え撃つみたい。支配の騎士インぺリウムパラディンのほうは高速で移動してかく乱しようとしてるっぽい。早すぎてファーナーが黄金のドームに包まれてるようにしか見えない。


そして剣を交えあう。こっちには剣と剣がぶつかり合ってる甲高い【キン!】という音が聞こえてくる。てかファーナーあれ見えてんのかな。普通に全部受け止めてるけど。


「スキル発動『信仰』」


おっ、ファーナーがスキルを使い始めた。よく考えてみるとスキル使ってない状態であんな早いのと打ち合ってたのかと思うとゾッとする。


「おい!馬鹿それはやめろって、クソッ。スキル『外界遮断』」


ファーナーがスキルを使い始めたらなんか2人が慌てだした。カミルに至ってはなんかスキルまで発動してる。


「なんで、シールドなんて張ってるの?」


「あぁ、そうかあいつのスキルもわかんないか。あいつのスキル『信仰』はあいつ自身が信仰してるやつの身体能力を一時的に使うことができるんだ。さすがにスキルは使えないがな」


「それがどうしてやばいの?」


「それはあいつがお前の身体能力を借りてったからだ。100パーセントじゃないにしてもお前の身体能力を使うとここら一帯がマジでなくなるぐらいの威力の攻撃をだせるようになるからな。それに巻き込まれたらめんどくさいことになる」




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る