第10話 天使の強さを見せつけてやります!①
「しかし、そういうの前はセラフの得意分野だったのに忘れるとはな」
「そうですね。私もセラフ様は博識だという話を聞いたことがあります」
「えーーと、それで俺はどうしたらいいの?」
「とりあえずまずは仕事をこなしてこい。記憶云々の話はそのあとだ」
「いや、さすがに一撃で国を亡ぼす化け物と戦うのはちょっと」
「別にお前が戦うわけじゃないぞ?エクレーシアだってお前の部下だ。それにほかのミーレスのやつらを指揮するのもお前の仕事だろ」
え?俺が戦わなくてもいいの?リーシャは私の力も一部を上げる代わりに戦ってこいみたいな言い方だったじゃん。
「もしかして、お前自分で戦うつもりだったのか」
カミルがひきつった顔でこっちを見てくる。
もしかして俺って一人だとめっちゃ弱い感じ?でも天使の中でも最上位なんだから弱いはずはないと思うんだけど。
「エクレーシア、こいつのことちゃんと見てやれよ?危うく世界を亡ぼすところだったぞ」
「…さすがにここまで記憶が抜けているとは思いませんでした。これからはちゃんとストッパーとして仕事をいたします」
「えーーと、俺ってそんなにやばいことしようとしてた?」
「覚えてないのかお前…お前が本気でじゃれあいして一回世界滅ぼしてんだぞ」
「…マジ?」
「マジだ。わかったらこれから絶対自分で戦おうとするなよ」
いや反省、反省。さすがに強いとは思ってたけど世界をじゃれあいで滅ぼしたことがあるとは思わなかった。これからは気を付けないと。
「それではそろそろ戦いの準備をしましょうか。カミル様もどうですか?」
「そうだな…仕事もあるが、セラフがやらかさないか心配だから俺もついていくか」
「それでは今回は私が指揮をとらせていただくので、セラフ様は私に言われたとおりにしていてください」
「えーー、スキルもっと使ってみたかったんだけど」
「あとで好きに使わせてあげますからおとなしくしていてください。それでは
「それって近いの?」
「私のスキルで行くので一瞬ですよ。それでは、スキル『座標』を発動」
エクレーシアがスキルを発動すると俺たちは光に包まれて次の瞬間には荒廃した町にいた。
「ここはノルテの首都ピリです。…ですが、もう滅ぼされてるみたいですね。まあここなら多少暴れても周りに被害はありませんし、ちょうどいい感じですね」
「どうやってここまで来たの?」
「私のスキル『座標』です。このスキルは自分が言ったことがある地点を座標として記録して、その記録された地点に転移できるというスキルですね」
マジか。なんかうすうす思ってたけど転移したんだ!さすが異世界。何でもありだな!
あとがき
セラフが同僚に対してため口なのはそうじゃないと本人ではないとばれることに気を付けているからです。ただエクレーシアにははじめ敬語で話していたので若干気づかれています。
ちなみにエクレーシアが初めちょっと砕けた口調だったのもばれないようにするためです。
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