第8話 同僚と初めて会いました
「わかりました。スキル『天使』を解除」
解除するときは発動するときと違って爆発が起きるようなことはなかった。それに体がいじられてるような気持ち悪い感覚もない。
「これで解除できましたね。それなら次はもう一つのスキルをどうぞ」
「わかりました。スキル『神の威厳』を発動!」
俺がスキルを使うと今度は『天使』の時みたいになんか周りに変化は生まれなかった。もしかしたら身体強化とかそういう感じのバフスキルなのかも。
「おーーこれはすごい」
「見えるんですか?」
「上ですよ」
「え?」
そうやって上を向くとそこには光り輝いている魔法陣が展開されていた。見た目だけで言うならなんか召喚されそうな感じ。
「これは召喚系のスキルですね。何が召喚されるかはやってみないとわかりませんけど」
「どうやったら召喚できるんですか?」
「それは何とも。スキルによってどうやったら召喚できるかっていうのは変わってしまうので」
「そうなんですか。これじゃこのスキルは使い物になりませんね」
「わかりませんよ。一回『天使』を発動してみてください」
「『天使』ですか?」
「はい、先ほど話した通り状態によってスキルの能力が変わることがあるんです。もしかしたら『天使』を発動すると何かが召喚されるのかもしれません」
「なるほど。やってみます。スキル『天使』を発動!」
発動するとやっぱりさっきみたいに爆発が起きる。でもさっきみたいになんかいじられてるような気持ち悪いのはなくなった。
そして上を向いてみるとそこには天使がいた。…天使?おかしいな俺はここにいるはずなんだけど。もしかしてこれって成仏ってやつ?
「久しぶりだな!セラフ!」
「…誰?」
「え?覚えてないのかよ。一緒に任務こなしたじゃねーか」
そんな悲しそうな顔されても覚えてないもんは覚えてない。てかもしかしてセラフって俺がここに来る前からいたのかな?よくラノベであるようなほかの人に乗り移る的な感じなの?
「マジで覚えてないみたいだから、もう一回自己紹介するぞ。今度は忘れんなよ」
忘れるっていうか記憶自体がそもそも存在しないんだけど。こういうのって引き継がれるやつじゃないのかよ。
「俺はカミル。大天使で天使軍をまとめる仕事をしている」
すげーー!めっちゃ偉い人じゃん。そういう人とつながりがあるってことはもしかしてセラフも結構すごい人なのかな?
「おい、聞いてるか?」
「は…はい!」
「絶対聞いてなかったよな。それより聞きたいことがあるんだが…お前本当にセラフか?ちょっと前と雰囲気というかなんかオーラというか変わってるような気がするんだが」
「えーーと…ちょっと記憶なくしちゃって」
「マジか!それじゃほかのやつらのことも覚えてないのか?」
「うん。あっでもリーシャのことは覚えてるよ」
「リーシャ”様”な。そりゃここにいるってことはなんか命令されてここにいるんだからそりゃそうだろ」
記憶をなくしたってことにすれば、嘘ではないよね。実際記憶がないのは確かなんだし。なくしたってのはちょっと怪しいけど細かいことは気にしない!
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