第6話 正体不明のスキル
渡された紙を見てみるとそこには2つのスキルが書いてあった。
一つは『天使』、もう一つは『神の威厳』というもの。
とはいえスキル名を聞いただけだと俺には何ができるのかとか全く分かんないしこれの説明に期待。
少しの間があってから教会の人が申し訳なさそうに口を開いた。
「このスキルは私達にはわかりません」
「…は?」
スキルに関してわからないなんてことあるのかよ!そんな状態でどうやって化け物と戦うんだよ!もしこのスキルが戦闘系のやつじゃなかったらどうすんだよ。
「申し訳ありません。このスキルは今まで確認されたことがないようでして情報が全くありません」
「そんな状態でどうしたらいいんですか?」
「…」
気まずすぎる。このスキルに関して
「とっ…とにかく一度そのスキルを試してみませんか?そうすれば少しは能力がわかると思いますし」
「能力の発動ってどうやるんですか?」
マジか。能力のこととかわかってなくても発動することはできんのか。それならちょっとは希望が見える。
「はい。一般的なスキルは声に出してスキル名を言うと発動します。でもたまに使用者が決めた発動条件でないと発動しないものもあると聞きますし確実というわけではありませんけど」
「早くやってみましょう!」
「は…はい。それじゃ中庭に行きましょうか。もしそのスキルが広範囲に攻撃を加えるスキルとかでしたら大変ですし」
そうかそういう感じの攻撃スキルもあるのか。それなら使う場所と時を考えて使わなきゃいけないな。
教会の人に案内されたのは中庭というにはあまりにも物騒なところだった。
「えーーと…これは中庭ですか?」
「そうですよ。普段はスキルの試し打ちとかあとは訓練とかそういうのに使っている場所ですが、名目上は一応中庭になってます」
これは訓練場というよりも戦場という感じのほうがしっくりくるんだが。だって壁には弾痕がたくさん入ってて地面は切り刻まれててそれになんか焦げ臭い。
…もしかしてとんでもない世界に来ちゃったのかな。俺は。
「では思う存分ここでスキルを使ってみてください」
まあここなら何をしてもいいみたいだしお言葉に甘えてスキルを使ってみることにしようかな。
「スキル発動!『天使』」
俺が発動するのと同時に中庭は光に包まれる。
なんだこれ。なんかめっちゃ熱い!それになんか体が気持ち悪い。なんか体の構造が変わってるみたいな感覚!
光が収まると俺は…浮いてた。そして周りはなぜか燃えていた。
もしかしてこれはあの落ちてくるときのやつ?そういえばいつの間にかあの時の羽とか消えてたかもしれない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます