第2話 天使としての生活

この世界は明日で滅んでしまう。


これがこの世界の神であるリーシャから伝えられたというのにこの世界は全くと言っていいほどいつもと変わっていなかった。


変わったところと言えばそれこそこの教会が閉鎖されていて中にいる協会の幹部が全員で祈っていることぐらいだ。


彼らが祈っていることはこの世界を救ってくれるような天からの使いがここに降臨すること。それ以外には何も望んでいない。


彼らの願いが届いたのか神がこちらに天使を使わせたことはまだ誰も知らない。




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あのよくわからない場所からの転生は意外に時間がかかってる。こういうのはすぐに転生して周りからちやほやされるものだと思ってたのにそう簡単にはいかないみたい。


「今のうちにこれからのあなたについて話しておきましょうか」


「おい!まだ俺は転生することに納得してないぞ!」


「ちなみにこれはこちらからの一方的な連絡なのでそちらの声はこちらに届いていませんよ」フ


「ちっ…」


「これからあなたにはセラフとして天使になってもらいます。一応私の使いとなってますから行動には気を付けてくださいね」


こいつマジで身勝手すぎるだろ。これで神とか信じられん。…でも唯我独尊って感じが神らしいといえば神らしいのかもしれない。


「それであなたには世界を救ってもらうために私と同レベルのスキルだったりその他もろもろを渡しておきました。もちろん破格の性能ですので思う存分暴れてきてください!」


スキルかー。どんなのかわかんないけど、無双できるんなら最高かもしれない。こういうのって男の子は一度はあこがれると思うんだよね。


「それと今回の敵は支配の騎士インぺリウムパラディンと呼ばれる騎士です。こいつは支配をつかさどる騎士で弓を扱います。見たところだと1発で1つの国を更地にする程度の威力だったのでどうにかなるとは思います」


…は?こいつ今"1つの国を更地にする程度"って言った?こいつは何を言ってるんだ。そんなとんでもない怪物と戦えっていうのか?


「大丈夫です!私の力なら1つの国を更地にするぐらい余裕なので」


…もう帰っていいかな?俺は疲れたよ。


「あっ、そろそろ時間ですね。それではがんばってください!」




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邪神リーシャがそう言ってからすぐに俺の周りがいきなりまばゆく光り始めた。まるで神が降臨するような光が消えると俺は…地上に向けて真っ逆さまに落ちていった。


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