第35話 虫食い

少しずつ本を読もうとしてたけど、全然はかどらなくて、結局1ページも読み進まないまま図書室で寝落ちするっていう日々を続けたある日、そうあの日、他校の不良リーダーに呼び出された。


なんか知らんけど、街で肩がぶつかったとか、訳わかんないいちゃもんつけてきて、この河原に来いって言われて行ったんだ。そしたら、よせばいいのに司書が止めに来て、確かあいつかばって倒れて石に頭ぶつけたんだよな。ったく一人だった負けなかったのに。


で、またどういうわけかこういう状況になってるんだけど、助けるしかないよな、この場合。


前世の記憶思い出してたら、詠子が怪獣に攻撃されてた。怪獣の口から文字が噴出してきて、詠子めがけて一文字ずつ本にぶつかってく。ぶつかったところは文字が消えて、文章が虫食い状態になってる。文字が無くなるたびに少しずつ飛ぶ位置が低くなっていく。どうやら、この空飛ぶ本、文字がなくなった分、飛ぶ力が弱くなるらしい





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る