第29話 母
「ちょっと、騒がしいわね、何やってるの?」
やばい。おふくろが入ってきた。
「うん? あら、この心臓、不整脈ね」
そうか、母親って医者だったな。不整脈の弱点ってなんだ?
「注射器のマークがあるから押してみるね」
詠子のリモコンにだけある注射器ボタンで特大の注射器が出現して心臓の真ん中に当たると心臓が注射器ごと消滅した。
「ふーっ、消滅した。これでクリアなのか」
「柔よく剛を制すっていうもんね。攻撃より優しさなのね」
「もう、あんまり汚さないでよね」
というと、母親が本を二冊持ってきて読みだした。一冊目を読み終わると、空間からほうきが出現して勝手に掃除して消えて、もう一冊を読み終わるとちびっこい大工みたいなのが壊した本棚をあっというまに修理して消えた。こういう実現書籍もあるんだな。
にしても、この状況にあの冷静な態度と判断と行動をする母親っていったい?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます