第28話 リアルな怪獣

リアルな怪獣が突然部屋で暴れ出したのには、さすがの二人も度肝を抜かれたようでしばらく固まったまま動かなかった。


が、このままでは家を破壊されてしまうので、俺は一人必至にリモコンのボタンを押して文字怪獣に応戦していた。なんとか怪獣の動きを止めることはできたけど、攻撃しつづけないとどんどん破壊しつづける。


「くそっ! 二人とも早く手伝って」


やっと我に帰った二人が援護射撃してくれて、だんだん怪獣の文字が消滅していく。


身体がほとんどなくなって、最後に急所らしい文字でできたハートマークがぴこぴこ点滅しはじめた。


「これを倒せばいいんだな。よしっ」


三人で一気に攻撃したけど、一文字も消えない。


「くそっ! なんなんだ」


「何か弱点があるはずだ。それを探すんだ」


「どうやって探すんだよ」


なんて問答をしていたら、母親が入ってきた。

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