第4話 初めての授業
1時間目は国語だった。授業に出るの何日ぶりだっけ?
「教科書は前の学校と同じね。分からないことがあったら聞いて」
詠子が隣の席でよかった。分からないことって、今一番分からないのは俺が誰なのかだよ。
先生が来て、
「始めてください」
とストップウォッチを押したかと思うと生徒が一斉に教科書を読み始めた。
うんっ、国語の授業は黙読スタイルなのか。でも、なんでストップウォッチ押したんだろう。
「はい、終了」
体感で10分くらいして、教師がストップウォッチを押して言った。
その声に合わせて、教科書の上に何か文字が浮かび上がった。数字みたいだ。一人だけ文字が赤いやつがいる。梨偉人だ。
「おっ、今日も一番は梨偉人だったな。みんなも頑張るように。うんっ、栞くんは数字が出てないね」
えっ、どういうこと。
「初めてで緊張して読めなかったのね。先生、私がフォローします」
詠子が助け船を出してくれて助かった。休み時間の会話で分かったけど、教科書の上に出た数字は読んだ文字数らしい。本なんか嫌いだったから読むふりして寝てたもんな。数字出るわけないわ。
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