第3話 転校生
なんだかわからないまま学校に行かなくてはならなくなった。
でも、どうやって行くんだ? と思っていたけど、この道、普通にいつもの学校に行く道なんだけど。といってもほとんど行ってなかったけどな。制服も通学鞄も同じだ。
外に出てみてわかったけど、俺の家の場所も前の俺の家と同じ場所にある。
「あっ、ごめんなさい。」
片目を髪の毛で覆ったか弱そうな奴がぶつかって、早口で謝って、急いで校門めがけて走っていった。
そんなに急がなくても、まだ始業まで結構時間あるのにな。女みたいに線が細くて、髪が長くて顏小さかったけど、制服がズボンだったから男なんだな。
学校に着いたら校長室に行くように今の親らしい人に言われたので、校長室を探して向かう。場所は、正面の入口のすぐ近くにあったからすぐわかった。
「本田栞君だね。先週会ったね」
俺、本田っていう苗字だったんだ。確認するの忘れてたから言ってくれて助かった。本田ってやつは先週転校前の挨拶にきたらしい。
にしても、俺がこいつになってるってことは元のこいつはどうなってるんだろう。昨日の事故で死んだんだろうか。
昨日の事故がどんなだったか知らないけど、死ぬような事故にあってて、今普通に学校来てるっておかしくないか。それに元の俺も生きてるのか、死んでるのか、別の何かになってるのか。それがわからないとこれからどうすればいいかも決められない。
校長との挨拶を済ませると、新しいクラスに案内された。
「
先生が言うと、学級長らしい男子と副学級長らしい女子が立ち上がった。あれっ? 男子のほう、今朝ぶつかった奴じゃねえか。
休み時間になり、さっき紹介された2人が俺の席にやってきた。
「僕が学級長の
片目を隠してるから分かりにくいけど、よく見るとすごい美形だ。なんで片目を隠してるのか気になるが初対面で聞くことでもないな。そのうちわかるかもしれないしな。
「詩伊名詠子です。宜しくね。」
こっちはわりと普通だ。よかった。
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