第5話 2時間目理科の事業

2時間目は理科だった。


理科は何だろう。実験とかがいいな、思いっきり派手なやつ。


「栞ちゃん、大丈夫? 体調とか悪くない?」


「だ、大丈夫よ。1日目だからちょっと勝手がわからなくて」


なんせ、この世界1日目だからな。


「そう、次は理科だからしっかり読んでね。授業始まる前に復讐しとこう」


「読む? 理科だろ? いや、理科でしょ」


「そうよ」


「昨日、事故にあったって聞いたけど、その後遺症かな。首をまっすぐにして、とにかく目を動かすといいよ」


梨偉人が席のそばに来てアドバイスしてくれた。


「事故? そうだったの? 体調悪くなったらすぐ言ってね」


「あ、ありがとう。あの、実験とかはしないの?」


「実験? 実験は科学者がするものよ。科学の国でやってる。結果が出てるんだからそれを読めばいいのよ」


科学の国っていうのがあるのか。


「で、でも、実際に確かめないと駄目じゃない?」


「確かめて合ってるから教科書に載ってるんじゃないか。同じことをわざわざやるなんて時間の無駄だ」


と言って、さわやかに笑うと、梨偉人は長い前髪を揺らしながら席に戻っていった。

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